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“持ち家派”と“賃貸派”、将来損するのは…一級建築士が伝えたい「日本の住宅事情」にまつわる残酷な事実

「日本の家」は不動産ではない?

それにしても、なぜアメリカと日本で明暗が分かれるような結果になってしまっているのでしょうか。 ショッキングな話になりますが、多くの「日本の家」は不動産ではないという事実を知っておかねばなりません。 「家=不動産」と漠然と思われているかもしれませんが、「日本の家」と「アメリカの家」で決定的に異なる要素があるのです。 それは「家の寿命」です。アメリカでは「70年以上」と言われているのに対して、日本では長くても「40年程度」と言われています。残念ながら、日本の家はアメリカの家と比べても寿命が半分程度しかありません。 別の言い方をすると、寿命が10~20年の「冷蔵庫」や「エアコン」のイメージに近い「耐久消費財」になるでしょう。 「持ち家・賃貸論争」における持ち家が耐久消費財だったとすれば、賃貸に軍配が挙がるのは確実です。 ここまでの内容では、家を購入することにデメリットしか感じられなくなっているかもしれません。しかし、メリットを得る方法はもちろん存在します。

「不動産の家」を手に入れるには

持ち家でメリットを得るためには、「耐久消費税の家」ではなく「不動産の家」を購入しなければなりません。 さて、「不動産の家」とは、どういったものなのでしょうか? ポイントは2つあります。 1つ目は、「長期優良住宅レベルの家」を建てることです。 長期居優良住宅の基準は、数世帯にわたり住宅の構造躯体が使用できること。また、通常想定される維持管理条件下で、構造躯体の使用継続が少なくとも100年程度となる措置を取ることなどが挙げられます。 2つ目は、「不動産価値の下がらない場所」を選定することです。 借り手や買い手がつきやすく市街地であれば、不動産としての価値が保てますから、それなりの金額での売却が可能になります。 では、郊外の場合はどうなるのでしょうか? 一つ朗報があります。それは、インバウンド需要です。 地方であっても、簡易宿所や民泊などで家を貸し出せる時代になってきました。抵抗がなければの話ですが、仮に毎月10万円の住宅ローンを払っている家でも、場所によっては1泊2万円で月のうち5日貸し出せば元が取れます。 このように考え方次第では、持ち家派もデメリットばかりではないように思えてくるはずです。
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「持ち家・賃貸論争」の最終的な結論は…
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1970年、神戸市生まれ。一級建築士、株式会社G proportion アーキテクツ代表取締役。「地球と人にやさしい建築を世界に」をテーマに、デザイン性、機能性、省エネ性や空間が人に与える心理的影響をまとめた空間心理学を組み込みながら設計活動を行っている。これまで120件の家や幼保園、福祉施設などの設計に携わってきた。クライアントには、上場会社の経営者やベストセラー作家をはじめ「住む人が幸せになる家」のコンセプトに共感する人が集い、全国で家づくりを展開中

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