更新日:2024年11月29日 14:24
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大阪王将「ナメクジ大量発生」投稿事件。“話題の告発者”から“被告人”になったワケ

 今年2月中旬、とある事件の逮捕報道を受けて、ネット上では被告人を擁護する声が多数あがり騒然となった。事件の発端は、宮城県仙台市内で営業していた飲食チェーン「大阪王将」のフランチャイズ店「仙台中田店(現在は閉店)」での出来事。元従業員が、同店舗内に“ナメクジ”などが大量発生しているとSNSに投稿し、約1年半後に逮捕されたもの。  仙台地検は元従業員の圓谷晴臣被告人(25)を偽計業務妨害罪で起訴。4月24日、仙台地裁(須田雄一裁判官)で初公判が開かれた。

元従業員が「ナメクジが大量発生している」と投稿

裁判

検察側が読み上げた問題の投稿(一部加工)

 問題の投稿は、2022年7月のこと。元従業員の被告人が、仙台市内で営業していた被害店舗内に“ナメクジ”が大量発生しているとの内容の告発をTwitter(現X)に投稿。  本件投稿は瞬く間に拡散され大炎上となった。一連の投稿には、ナメクジのようなものがテーブルの下に発生している画像付きのものもある。  これに対して、同店舗の運営会社も「湿気の多い季節に外部からの侵入があった」と認めて謝罪。「大阪王将」は運営会社とのフランチャイズ契約を解除し、閉店する事態となった。  その投稿の1年9か月後、自ら記者会見をするなどして改善を訴えていた男は、刑務官らに連れられて入廷してくる“被告人”となったのだ。

なぜ内部告発が罪になったのか?

 今年2月13日、逮捕の一報を受けて、ネット上では困惑する声や被告人を擁護する声が散見された。 「内部告発で逮捕された人、アレ告発内容事実だったのになぜ」 「大阪王将ナメクジ事件。内部告発して逮捕とかありえない」  なぜ、「告発」が罪に問われたのだろうか。起訴内容は次のとおり。  被告人は2022年7月24日に、被害店舗でナメクジが大量に発生している事実も、料理に混入させた事実もないのに、「大阪王将仙台中田店あるある 大きな冷蔵庫の扉と扉の隙間にナメクジ大量にいる」などの文言をTwitterに複数回にわたり投稿した。不特定多数人に発信し、運営会社を一時休業に陥らせるなどして、偽計を用いて業務を妨害したというもの。  そして検察側の冒頭陳述などによると事件の詳細はこうだ。  被告人は2022年4月頃から被害店舗で勤務をしており、食器洗いや調理を担当していた。かねてより、労働環境や店長への不満が溜まっていたところ、同年7月に店長から勤務態度を注意され、憤慨して退職。検察側は、被告人が復讐をするために誇張した事実をTwitterに投稿し、炎上させて業務を妨害させようと考えていたと主張している。  さらに店舗側の被害として、「本件投稿によって、投稿を見た第三者が被害店舗に電話するなど対応を迫られ、休業の後に閉店に追い込まれた」と指摘した。  検察側は証拠として、市保健所の立ち入り調査の結果と駆除業者らの調書を提出。要旨の読み上げで、市保健所の調査結果には「ナメクジなどの目撃情報はある」や「冷蔵庫の間に3~4cmのナメクジを1・2匹見かけた。見つけたらすぐに取り除いている」、「月に一回、害虫駆除を依頼している」と店舗側が述べたことを明かしていた。  要するに“ナメクジ”は発見されている。しかし「大量発生ではない」というのが検察側の主張だ。
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弁護人に取材してみた結果…
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2002年生まれ、都内某私立大に在籍中の現役学生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴にハマり、傍聴歴6年、傍聴総数900件以上。有名事件から万引き事件、民事裁判など幅広く傍聴する雑食系マニア。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行っている。
X(旧ツイッター):@Gakuse_Bocho

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