更新日:2024年11月29日 14:24
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大阪王将「ナメクジ大量発生」投稿事件。“話題の告発者”から“被告人”になったワケ

被告人が裁判で語ったこと

裁判所

仙台地方裁判所/筆者撮影

 被告人は、現在別件で実刑判決を言い渡されて受刑中の身。法廷には刑務官らに連れられ、黒色のジャージ姿で現れた。  冒頭の罪状認否の場面で、裁判官から起訴内容に争いはあるかと聞かれ、ハキハキとした声で「私は何らかの業務を妨害したことは認めますが、ウソの発言をしたことは認めません」と述べた。  その後、弁護人は意見書を陳述。弁護人も「偽計業務妨害罪の成立は認めます。しかし、被告人は存在していない事実を存在しているように装ってはいません」と主張。検察側からは「無罪主張なのか」と問われる場面もあった。

弁護人に取材した結果

 だが、弁護人は無罪主張ではないという。閉廷後、傍聴人からは腑に落ちないという疑問の声があがった。そこで、筆者は弁護人を取材。弁護人は取材に対して、次のように説明した。 「偽計業務妨害罪の成立は認めます。弁護人としては、『偽計』にはウソをつくことだけではなく、たとえ投稿が事実であっても社会通念上許されない手段で告発したことも含むと考えています。本件の告発方法はSNS上であり、度が過ぎているため『偽計』の成立は認めます。ただ、起訴内容で読み上げられたウソとされる投稿については、被告人はウソをついていないと考えていますので、一部否認という形になりました」
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内部告発者は保護されないのか
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2002年生まれ、都内某私立大に在籍中の現役学生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴にハマり、傍聴歴6年、傍聴総数900件以上。有名事件から万引き事件、民事裁判など幅広く傍聴する雑食系マニア。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行っている。
X(旧ツイッター):@Gakuse_Bocho

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