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大節約時代に「コンビニに行けない」若者も…“12兆円規模”コンビニ業界が迎える難局

変革を求められるコンビニチェーン

 今後、さらに節約志向の強くなるなか、コンビニチェーンはどう変革するかだ。昨今では加盟店が経営を持続できるように、効率的なビジネスモデルを設計していて、店の規模も小さく、家賃など固定費の負担も低減化している。  常に売れるものを並べて、限られたキャパシティを有効活用できるよう、多頻度小口配送の物流で対応している。そして、利益を享受し合う本部と加盟店が、お互いの思惑を合致させ、経営理念共同体として強固な関係を維持している。

もはやトレンドの発信地ではない

 粗利益の3~4割のロイヤリティを本部に支払う加盟店との良好な関係が、店を利用する客層の変化に対応していけるだろうか。今までは、そこまで負担しても採算が取れる費用構造だったが、今後も大丈夫とは言い切れなくなり、本部も危機感を抱いている。   コンビニは情報機能も有しており、トレンドを知るにはコンビニが最適だったが、スマホの普及でいつでも豊富な情報が入手し放題の環境が整っている。少しでも出費を抑えたいから、時間を節約できるコンビニよりも、安くて商品内容は充実したスーパーに時間をかけても行く人が増えている。  高齢化社会の中、遠くに買い物に行けない一人暮らしの高齢者が行く店にコンビニがなりつつあるのは、彼らの思惑とは合致しないだろうが、致し方ない。各社の今後の戦略を注視したい。 <TEXT/中村清志>
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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