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1畳半のネカフェで暮らす36歳「ある日会社に借金の取り立てが…」語った“親との確執”と“教育虐待の過去”

若者の「見えない貧困」が広がっている。旧来型のネカフェを根城にするケースだけでなく、「限界シェアハウス」が増えたことで路上生活をせずともその日暮らしを続けていけるからだ。人手不足で就職市場は空前の売り手市場と言われているが、若い人材が引手数多な一方で、貧困から抜け出せない若者も多い。そして、彼らの多くは“親ガチャ”を理由に世代を超えた負の連鎖を断ち切れずにいる……。そんな過酷な環境で暮らす若者を徹底取材。「忘れ去られた若者たち」にスポットを当てる。

わずか1.5畳の個室が根城

[親ガチャ貧困]の実態

ネカフェを利用するのは半日だけ。睡眠以外は、漫画を読むか、Xで打ち子の募集を探す。朝には荷物をまとめて外出

佐竹隆平さん(仮名・36歳) 【現在の状況】ネットカフェ暮らし 【主な収入源】パチンコの打ち子など 【現在の月収】約1.5万円 歌舞伎町の夜のネオンが一人の若者を浮かび上がらせる。所持品は肩から掛けたショルダーバッグが一つで、その日暮らし。佐竹隆平さん(仮名・36歳)は、この界隈のネットカフェでわずか1.5畳の個室を根城に生活している。 「なるべくお金をかけないように12時間2700円のコースしか利用していません。日中は、東京都が運営しているフリースペースで時間をつぶし、夜はネカフェで寝て、朝起きたら荷物をまとめて外に出る……そんな日々です。食事はネカフェの無料食べ放題のカレーで我慢してますが、とっくに飽きました」

ある日会社に借金の取り立てが来て…

現在の生活に至るまで何があったのか。 「1~3年ごとに転職していて、3週間前までは都内で警備員をしていました。でも、ある日会社に借金の取り立てが来てしまって……。仕事の性質上、『消費者金融に世話になっている人間は雇えない』と社員寮も即退去せざるを得なくなりました」
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教育虐待を受けた親から逃避生活
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