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赤ちゃんの寝かしつけに「スマホの音楽」はOK?デジタル映像・音声が脳に与える影響

デジタル映像やデジタル音源は、脳に悪い?

スマホ こんなふうに脳は、日ごろ識別している情報に鋭敏になるとともに、そうでない情報に鈍感になっていく。  全方位に鋭敏だと、とっさに処理する情報量が多すぎて判断が鈍くなるので、生きる環境に合わせて、その指向性を絞っていくわけ。その絞り込みを、主に幼児期に行っていく。  電子機器を通して聞こえてくるデジタル音は、処理された信号音である。  21世紀の音響技術はとても高度で、本物の音と区別がつかないように思えるけれど、それでも、自然音(アナログ音)の持っている複雑で不規則な音声波形を、一定程度はしょっているのである。脳は、脳の持ち主が自覚しているよりずっと鋭敏なので、それがわかる。  もしも、赤ちゃんの聴覚をデジタル音にフォーカスしてしまったら、自然音の識別に鈍感になる可能性は十分にある。けれどそれは、成長期の耳にノイズキャンセル付きの耳栓を突っ込んで、自然音から遮断するような事態でしか起こらない。

判断すべきポイントは、自然音や生活音を遮断していないかどうか

 だから心配なのは、もう少し大きくなってからの、イヤホン突っ込んで長時間ゲームをするとか、ロックなどの激しい音楽をイヤホンで聞き続けること。  音量が大きく、音質の急激な変化などがある刺激的なデジタル音を聞き慣れてしまうと、聴覚が刺激をフィルタリングしてしまうので、当然、日常生活での聴覚は鈍くなる。これが、最近、問題になっているのである。  こういう「デジタル音源の問題」は、赤ちゃんの入眠を助けるために、「生活音を遮断しない状態で、いくばくかの時間、優しい音楽を流す」のとは、まったく別の話。基本的には、自然音や生活音より、著しく刺激が大きいかどうか、自然音や生活音を遮断していないかどうかで判断すればいいと思う。 文/黒川伊保子 構成/週刊SPA!編集部
(株)感性リサーチ代表取締役社長。1959年生まれ、奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピューターメーカーでAI(人工知能)開発に従事、2003年現職。『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』がベストセラーに。近著に『息子のトリセツ』『母のトリセツ
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