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「うちの孫、ことばの発達が遅いかも…」と感じたときに、祖父母が心掛けるべきこと

 祖父母が子育て世帯を積極的にサポートする「孫育て」。共働きも多い親世代からすれば、祖父母が積極的に子育てに参加してくれるのはありがたい反面、時代ごとの常識の違いや子育て方針の違いから軋轢が生まれることも少なくない。  祖父母が上手に孫育てに関わる上では、常識のアップデートは不可欠だ。そこで、脳科学者の黒川伊保子氏の著書『孫のトリセツ』から、「子どものことばの発達」についての新常識や、上手に孫育てに関わるための心得の一部を紹介する。
『孫のトリセツ』

『孫のトリセツ』黒川伊保子 著

(以下、同書より一部編集のうえ抜粋)

子どものことばの発達が遅くても、気にしなくていい

女の子

※写真はイメージです(以下同)

 そういえば、母親たちは、ことばの発達を気にするよね。我が家のおよめちゃんも、孫が1歳半くらいのころ、「友だちの子は、この子より1か月小さいのに、もう2語文しゃべるんだよ。ことばが遅くない?」と、かなり悩んでいた。  ことばの発話には個人差がある。  2歳を過ぎてもことばを発しない場合で、話しかけてもまったく反応しない(遊びに夢中な時には誰だって反応しない。それ以外のいつでもってこと)、大人と目を合わさない、手をつなぐのを異様に嫌がるなどのコミュニケーションに問題がある場合は、発達障害などの対応策が必要になるけれど、 「あやせば笑う」「抱けば落ち着く」などのコミュニケーションが成立しているのならば、ほかのお子さんと比べて語彙力の少なさに胸を痛めるのは早計だと思う。 「ことばの発達が遅い?」と感じたら、祖父母が心がけるべきは、スキンシップを伴うコミュニケーションだ。絵本は、そのいいツールになる。遠く離れていて、自らそれができなかったら、ぜひ一緒に暮らす人たちに助言してあげてほしい。

赤ちゃんたちはどうやって言葉を学んでいくのか

親子 ことばの始まりそもそも、ことばの存在に、赤ちゃんはどうやって気づくのだろうか。水の音や風の音は、音節に区切ったりしないのに。  実は、「目の前の人の筋肉運動」を脳に映し取ることによって、ことばの単位を身に着けるのである。つまり、音声を分解する能力は、音から始まるのじゃない。「発音体感」の受け渡しによって、行われるのである。  これを可能にしているのが、ミラーニューロンだ。  ミラーニューロンは、目の前の人の表情や所作を、そのまま神経系にまるっと移し取っていく脳細胞。赤ちゃんは、目の前の人の口角周辺の筋肉の動きや、横隔膜の動き、息の流れ具合をミラーニューロンで受け止めて神経系に伝達することでことばを獲得していく。  ことばの獲得を早めたかったら、ミラーニューロンを刺激してやればいい。  ミラーニューロンを活性化するには、抱き上げて、笑いかけたり、話しかけたり、歌ったりして、大人の全身の動きを、子どもの五感に訴えかけること。私たちの世代にとっては、とてもとても、普通のことだ。  ただ、今、親たちがスマホの画面をのぞいている時間がけっこう長くて、核家族だと、昔みたいに、手が空いた家族が、かわるがわる赤ちゃんをからかっているような家庭は少なくなっている。
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絵本の読み聞かせが、コミュニケーション力を高める
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(株)感性リサーチ代表取締役社長。1959年生まれ、奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピューターメーカーでAI(人工知能)開発に従事、2003年現職。『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』がベストセラーに。近著に『息子のトリセツ』『母のトリセツ

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