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赤ちゃんの寝かしつけに「スマホの音楽」はOK?デジタル映像・音声が脳に与える影響

デジタル情報に慣れると、現実世界への勘が鈍くなる

スマホを触る子供 さて、デジタル映像やデジタル音源が、脳に悪いかどうか、のお話。今や子育てアイテムも増えているので、親の悩みも増えているのだ。  デジタル映像やデジタル音源は、そればっかりで育てるのには確かに問題がある。なぜなら、脳のレンジ(認知するのに得意な範囲)がデジタル情報のそれに絞られてしまうので、現実世界に対する勘が鈍くなるからだ。

育った環境によって視覚や聴覚の指向性が決まる

 聴覚は、育つにつれて、その指向性(聞こえやすい音の特性)が決まってくる。  日ごろ耳にして、内容を識別する必要のある周波数帯に鋭敏に、そうでない周波数帯のそれに鈍くなっていくのである。母語によって使う周波数帯が違うので、母語が違えば耳が拾う音も違ってくるし、育った場所の自然音にも影響を受ける。  視覚もそう。砂漠の民は、テラコッタ(赤茶色系)の色味を100色以上も見分けるという。私の友人が、サハラ砂漠で、現地の人に道案内してもらったとき、大阪育ちの彼には見えない砂漠の「模様」があるのを知ったという。  日本人には、ただ一面の赤茶色の大地に見えるだけなのに、砂漠の民は、車が走れる道を見分け、待ち合わせ場所を特定できるのだそうだ。代わりに、私たち日本人は、緑色の識別に長けていると言われている。
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デジタル映像やデジタル音源は、脳に悪い?
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(株)感性リサーチ代表取締役社長。1959年生まれ、奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピューターメーカーでAI(人工知能)開発に従事、2003年現職。『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』がベストセラーに。近著に『息子のトリセツ』『母のトリセツ

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