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OCHA NORMAがHOT STAGEでファンと一体に

―[TIF2024]―
モーニング娘。’24らが所属するハロー!プロジェクト所属のアイドルグループ・OCHA NORMAが8月4日、お台場・青海周辺エリアで行われた世界最大のアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL 2024 supported by にしたんクリニック」(以下、TIF2024)の最終日に出演。9月11日に発売予定の4thシングル「ちはやぶる/タイトル未定」に収録される楽曲「ちはやぶる」をはじめ、全6曲を熱唱した。 TIF2024最終日のHOT STAGEのトップバッターを任されたOCHA NORMA。照りつけるような日差しのなか、ファンたちは朝から会場のまわりを一部囲むようにして長蛇の列を形成していた。そんな「濃い」ファンたちが集うなか、清楚な白を全身にまとった衣装のOCHA NORMAが登場し、大きくステージに横一直線に並んだ。 すると、そのまま「ウチらの地元は地球じゃん!」を披露した。10人のメンバーがそれぞれ異なる出身地を持つOCHA NORMAならではの楽曲であり、規模の大きさを感じさせつつ「地元の方言忘れてないさ」という歌詞が盛り込まれるなど、どこか郷愁も感じさせる一曲だ。全国からファンが集うTIF2024だが、今日だけは「みんなが集まったここが地元じゃん!」と言わんばかりのオープニングとなった。 間奏に入るとすかさず「ウッ!」「ハッ!」というコールがこだまし、まだ一曲目とは思えない熱量でファンたちも応える。サビ前には一度ゆっくりとしたテンポになり、田代すみれと筒井澪心がそれぞれ「ウチらの地元は地球じゃん! Say」とファンに呼びかけると、ファンも同じように「ウチらの地元は地球じゃん!」と声を出し一体感を楽しんだ。今度はメンバーたちが一斉に「ウチらの地元は地球じゃん!」とリピートすると曲調はそのままどんどんアップテンポになり盛り上がりを見せる。そして「ウチらはなんとかやってる」という歌詞の「やってる」という言葉にあわせてファンたちはみな拳を高く突き上げた。 最後のサビでは、もう抑えきれないファンたちがHOT STAGE全体で自然発生的に飛び跳ねる。曲はそのまま終盤になり、もう一度「ウチらの地元は地球じゃん!」というフレーズを歌い上げると、最後にメンバーが一箇所に集まって手で大きな「ひとつの輪」をつくり一曲目が終わった。OCHA NORMA続いて披露されたのは「cha cha SING(2024 OCHA NORMA Ver.)」。ハロプロの先輩グループ・Berryz工房による『cha cha SING』のリアレンジ版でOCHA NORMAのコンセプトであるお茶(の間)と「cha」がかけられている一曲だ。それを象徴するかのようにサビの「cha cha la cha cha cha la la〜」という歌詞ではメンバーもファンも手を「湯のみ」を持つときの形にして腕を前方に掲げ、その腕を身体ごと揺らすようにしてリズムを刻み楽しんだ。続いて腕を腰のあたりで曲げ左右に動かすダンスを見せると、それもファンが「振りコピ」をするなどして、コールと振りコピがほぼノンストップのまま一曲が終わった。OCHA NORMA MCになり、リーダーの斉藤円香からハロー!プロジェクトのアイドルグループであることが伝えられると、そのままメンバーたちによる自己紹介に。1人ひとりがシンプルに名前だけ伝え、最後に一斉にお辞儀をすると観客からは「フゥ〜」という歓声が上がった。続けて北原ももは「会場を盛り上げられるよう精一杯頑張ります」と丁寧にファンに向けて語り、中山夏月姫は「HOT STAGEということで、みなさんもっともっと盛り上がっていきましょう!」と元気いっぱいに呼びかけた。最後に石栗奏美が「もっと盛り上げっていけますか〜?」と煽って次の曲へ移った。 3曲目には9月11日に発売予定の4thシングルから「ちはやぶる」が披露された。曲がスタートすると、メンバーが両サイドに分かれて作った通り道を、観客を煽ったばかりの石栗奏美がひとり堂々と歩いて登場。黒と赤を基調としたシックな扇子を片手に持つと、和のテイストを感じさせるダンスで観客を魅了した。途中には、メンバー自身が「お神輿」になり、歌唱を担当するメンバーがそのお神輿に担がれているようなパフォーマンスを魅せるなど、強さとしなやかさが随所に感じられる見応えのあるステージパフォーマンスを見せた。しかし、もちろんファンも黙って見ているわけがない。「ちはやぶる」には「荒々しく」という意味もあるが、まだ発売前の曲にもかかわらず、手を激しく揺らしながらファンもメンバーたちとの掛け合いを楽しんだ。OCHA NORMA 曲も終盤に差し掛かると、冒頭で「花道」を堂々と歩いた石栗奏美がサビを歌いあげ場内からは歓声が上がった。しかし、この新曲はそれだけでは終わらない。最後にもう一度サビが訪れ、今度は筒井澪心がサビのラストフレーズを、ひときわ高いトーンで「嘘は捨てて 自由に生きよ」と歌いあげると、他のメンバーによるハモりも美しく決まり、まるで魂が揺さぶられたといわんばかりのざわつくような大歓声が上がった。 続いて披露したのはライブでも人気曲となっている「ラヴィ・ダヴィ」。「ちはやぶる」から一転して、OCHA NORMAらしい軽快で明るいサウンドに乗せた一曲だ。軽快なステップや時々コミカルにも思える動きを見せたかと思うと、バラエティ番組などの出演でも活躍する米村姫良々が「フライハイ」という歌詞をしっとり歌い上げるなど、さまざまな一面を見せた。 5曲目のイントロがかかり、ハロプロの先輩グループ・℃-uteによる「まっさらブルージーンズ」だとわかると、会場は一瞬で興奮のるつぼに。会場からは「ヤバい!!」という声まで漏れた。夏にぴったりの一曲だが、先輩グループの楽曲を多く歌いあげてきたOCHA NORMAが歌うからこそ、TIF2024という「夏」によりふさわしい一曲だともいえるだろう。サビのシーンでは会場全体で「おなじみ」の振付をメンバーと一緒に踊るファンが続出し、壮大な光景を見せた。 もう一度、MCに入ると北原ももが4thシングルの告知を行い、続けて窪田七海が公開となったMVを紹介。広本瑠璃が「続いて最後の曲になります」と案内すると、ここでも石栗奏美がファンたちを煽って「Good Luckの胸騒ぎ」を披露した。メンバーが曲中にファンに向けて「ウ〜チら」と呼びかけると、ファンたちが「ボ〜クら」とこたえる掛け合いが定番となっている同曲。「心に輝く 無数の茶柱」というフレーズにあわせてお決まりの「お茶ポーズ」をしたりと、メンバーとファンたちが最も一体になれる選曲だ。最後に「La la la〜」と歌う場面ではまたまたファンたちが手を横に振ったり拳を突き上げたりして盛り上げ、OCHA NORMAのHOT STAGEは終了した。ファンと一体になるという意味では、もしかしたらTIF2024のHOT STAGEにおいて、最もこぶしを掲げたグループといえるかもしれない。OCHA NORMA 斉藤円香、石栗奏美、米村姫良々、窪田七海の4人については、ハロプロ研修生ユニット時代も含めればTIFのステージは2019年が初登場となり、OCHA NORMAとしてはTIF2022が初登場となった。しかしながら、コロナウイルス感染症の影響でTIF2022では西﨑美空が、TIF2023では斉藤円香が出演辞退となり全員が揃ってのステージは叶わずにいた。そんななか、今年はついにTIFの地で全員が揃ったステージを披露したOCHA NORMA。そのあいだにハロプロからは今年、ロージークロニクルのデビューが決定しているため、「末っ子」グループではなくなった彼女たちだが、昨年まで感じられていた初々しさが錯覚だったかのように歌唱・ダンスのスキルが進歩し、歌唱力の高いメンバーに頼ることないグループとしてのパフォーマンスを見せてくれた。歌唱力の高いメンバーによってさらに全体が生きる、そんなグループになったという印象だ。そしてなにより、ファンとの一体感で「会場をつくる」というグループになっていることを見せつけてくれた、そんなTIF2024のステージだった。OCHA NORMA セットリスト 1. ウチらの地元は地球じゃん! 2. cha cha SING(2024 OCHA NORMA Ver.) MC 3. ちはやぶる 4. ラヴィ・ダヴィ 5. まっさらブルージーンズ MC 6. Good Luckの胸騒ぎ 取材・文/綿谷 翔 撮影/山田耕司
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