つばきファクトリーが2年ぶりのTIFで躍動!
―[TIF2024]―
モーニング娘。’24らが所属するハロー!プロジェクト所属のアイドルグループ・つばきファクトリーが8月4日、お台場・青海周辺エリアで行われた世界最大のアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL 2024 supported by にしたんクリニック」(以下、TIF2024)の最終日に出演。全7曲を熱唱し、会場を湧かせた。
淡いメンバーカラーのドレス風衣装を身にまとったメンバーたちが一列に並んで登場すると、時間がもったいないといわんばかりに1曲目 の「Stay free & Stay tuned」を披露。直近の3rdアルバム「3rd -Moment-」に収録された同曲だが、すでにライブでも多く披露され、盛り上がる曲としてファンに届けられている一曲だ。実際、日差しの照りつける真っ昼間ながら手に持ったペンライトを回したり、飛び跳ねる人がいたりとサビからつばきファクトリーの「思惑通り」盛り上がる。
勢いそのままに「アドレナリン・ダメ」を披露。「こんなんじゃ ダメ〜」という冒頭の歌詞が歌われると、待ってましたと言わんばかりに早速コールが入る。アップテンポの曲にあわせて縦横無尽にフォーメーションが入れ替わるダンスを見せると、サビの「こんなんじゃ ダメ〜」というフレーズでは手を歌詞にあわせて交差させ印象的な振付を見せた。途中、メンバーをコールする「お決まり」の場面が訪れると、メンバーの八木栞のタイミングでは「ヤギシオリ!」というひときわ大きなコールが入って会場は盛り上がりを見せた。おしとやかさのあるなかにも激しさがあり、とくに河西結心のソロパートではストレートに胸に飛び込んでくるような真っ直ぐでいて激しさのある歌声を響かせた。
MCに入ると年齢の低い順にメンバーが自己紹介。今年2月に新しく加入した土居楓奏、村田結生、石井泉羽の3人は初めてのTIFのステージでの挨拶となった。続けてリーダーの谷本安美が、8月28日にニューシングル「ベイビースパイダー/青春エクサバイト/鼓動OK?」の発売があることを告知し、そのニューシングルから「ベイビースパイダー」を次に披露した。
重低音が一定のリズムで心地よく響くこの曲は、最近の「かっこいいつばきファクトリー」を象徴するかのような一曲だ。ラップパートも存在し、ダンスも打ち込みの音にあわせてダウンのリズムが主体のダンスが見られるなど、これまでの「儚さ」を帯びた楽曲のつばきファクトリーとはまた違った姿が新鮮に映る。しかしながら面白いのは、重低音が響くタイプの曲は身体を揺らしたくなるようなものだが、つばきファクトリーにかかるとむしろ「聞かせる曲」になっている。曲の最後には他のメンバーがしゃがむ振付をするなか、センターに立つ豫風瑠乃が大人っぽく、そしてどこかいたずらっぽく誘うかのような笑みを見せて「かっこいいつばきファクトリー」を見せた一曲に終止符を打った。
4曲目には「Power Flower ~今こそ一丸となれ~」を披露。こちらも3rdアルバム「3rd -Moment-」に収録された一曲だが、日本ホッケー協会公認の「ホッケー日本代表応援ソング」にも選ばれ、ライブでは定番曲となっている。SNSを通じてメンバーがコールを伝授するなど、メンバーとしても思い入れのある一曲だ。やはり「かっこいいつばきファクトリー」の雰囲気をまとっており、サビの「Power!」「Flower!」という部分では、力こぶを作るような振り付けが見られたり、ダンススキルに定評のある秋山眞緒を中心にフロアを使ったダンスを見せつけるなど、見所も多く、コールや振りコピも楽しい、まさに「ライブのための曲」になっている。
もう一度、MCになり福田真琳からシングルリリースの情報が、また山梨県出身の河西結心から山梨県で行われるライブイベントの告知が、最後に八木栞からライブツアーの情報が伝えられる。すると、最年少の土井楓奏から客席を「もっともっと!」と煽る声が届けられ、それを聞いたファンたちはひときわ大きな声を出してこたえると、そのまま「断捨ISM」に。
続けて槙田紗子が振付を担当し、SNSでもメンバーたちが振付動画を投稿するなどして話題となった「妄想だけならフリーダム」、最後に代表曲「今夜だけ浮かれたかった」を披露した。乙女のドキドキや後悔を表すかのような振付を見せながら、曲はどんどんと盛り上がりを見せ、小野田紗栞が「泣きたいわ」という重要な歌詞のソロパートを披露すると大歓声が上がるなど、大いに盛り上がった。
つばきファクトリーは昨年のTIF2023では、コロナウイルス感染症の影響で急遽出場を辞退することとなった。2年ぶりに復帰したTIFのステージではこれまでのイメージを一新した「強いつばきファクトリー」を訪れたアイドルファンにも見せたのではないか。最後に「ありがとう!」とファンたちに声をかけてステージをあとにするメンバーの汗の量がそれを物語っているようだった。そしてステージからはけるメンバーの列の最後尾にいた八木栞が、ステージ脇まで行ってから、名残惜しそうに一歩足を止めてファンたちのほうを一瞥してからステージを後にしたその姿は、まだまだやり足りないといわんばかりに今日の「強くてかっこいいつばきファクトリー」を物語っているようだった。
セットリスト
1. Stay free & Stay tuned
2. アドレナリン・ダメ
MC
3. ベイビースパイダー
4. Power Flower ~今こそ一丸となれ~
MC
5. 断捨ISM
6. 妄想だけならフリーダム
7. 今夜だけ浮かれたかった
取材・文/綿谷 翔 撮影/山田耕司(本誌)
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