更新日:2024年12月04日 15:49
ライフ

「般若心経の刺青」を入れた女性が歩んだ“過酷すぎる”人生「普通の生活に戻れないことはわかっている」

「普通の生活に戻れない」ことはわかっている

まごみさん

刺青を入れることで何とか生き延びてきた

「たまに『そんなに刺青を入れて、もう普通の生活に戻れない』というお叱りの声もいただくのですが、それは入れた本人が一番よくわかっているんですよね(笑)。それでも、刺青を入れることで何とか生き延びてきたんです。そして今、私の姿をみて『こんな感じでも楽しそうに生きてるんだ』って思ってくれる人がひとりでもいれば、私は全力でガッツポーズをします」  心温かい、慈しみ深い、愛情豊かなど、まごみさんを語るうえでそれっぽい美辞麗句は簡単に浮かぶ。だが彼女の最大の魅力は、自らの暗い過去さえ進んで万人の踏み台として差し出す気前の良さだろう。そこに誰もが身を委ねたくなる豪胆さが宿る。  筆舌しがたい辛酸を舐めたからこそ、似た状況で喘ぐ者たちへの言葉が説得力を帯びる。「こんな私でも生きてるんだから、もう少しこの世界に一緒にいようよ」。柔和で朗らかな、それでいて生きることに貪欲なまごみさんの魂の呼びかけに、世界が呼応するといい。 <取材・文/黒島暁生>
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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