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「住人の精神を蝕む家」には共通した要素が。一級建築士が伝えたい「風水よりも大切なもの」

 

「風水が完璧な家」に引っ越ししたのに…

私は、風水や家相を探求する設計士として一つ確信したことがあります。それは、風水が整っていても、その家に住んでいる動機のほうが大きく影響するということ。ある男性から次のような相談がありました。 「3か月前、東京から故郷である広島に戻ってきました。ただ、広島で有名な風水師の方に見てもらって選んだマンションに引っ越したのですが、体調を崩してしまうなど、良いことがありません。本当にこのマンションは吉相なのでしょうか?」 「こんな相談は困るな……」と思いながら、そのマンションの鑑定をしたところ、さすがにいいマンションを選んでいることが分かり、そのことを伝えました。 本人は、半分安堵しながらも、疑問が払しょくできないという様子。そこで私は次のように尋ねます。 「そういえば、なぜ東京から広島に戻ってきたのですか?」

背景には「逃げ帰るように戻ってきた」と思いが

沈黙が続いた後、彼が次のように言ったのです。 「思い出したくなくて、言わなかったのです。実は東京で事業に失敗して、再起をかけて広島に戻ってきていて。それが何か影響しているのですか?」 さらにいろいろと掘り下げていくうちに分かったことがありました。それは、彼は再起をかけて戻ってきたのではなく、「東京で敗北して、逃げ帰るように広島に戻ってきた」という思いが強かったのです。 いくら風水が整っている家に住んでいても、この動機が根底にあったのであれば、うまくいくものもうまくいきません。「自分を責めなくてもいい」「再起をかけてこの家で楽しむ」と思い改めてもらうことで、彼はどんどん人生が好転していきました。  
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風水などよりも重要なことは、あなたの思い
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1970年、神戸市生まれ。一級建築士、株式会社G proportion アーキテクツ代表取締役。「地球と人にやさしい建築を世界に」をテーマに、デザイン性、機能性、省エネ性や空間が人に与える心理的影響をまとめた空間心理学を組み込みながら設計活動を行っている。これまで120件の家や幼保園、福祉施設などの設計に携わってきた。クライアントには、上場会社の経営者やベストセラー作家をはじめ「住む人が幸せになる家」のコンセプトに共感する人が集い、全国で家づくりを展開中

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