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初心者が“買ってはいけない”ビルの特徴。「テナントがつかない」「売るときに困る」

 こんにちは。中小企業の経営者や富裕層向けの投資ビルを売買仲介する不動産会社アグノストリを経営している青木龍です。
青木龍

株式会社Agnostri(アグノストリ)代表取締役社長の青木龍

 物価上昇や円安が進むなか、お金を銀行に預けているだけではどんどん価値が目減りしていく。そんななかで、“ビル保有”こそ最強の資産防衛策だと思っています。  今回は、不動産投資の初心者が失敗しないために「やってはいけないこと」をテーマに、まさに鉄則と呼べる考え方を紹介していきます。

投資の本質は、資産を「増やす」ではなく「守る」

東京風景・夜景

※写真はイメージです。以下同

 まず、不動産投資でやってはいけないのが「利回りで選ぶこと」です。初めての方の場合、どうしても利回りが高い物件を選んでしまいがちですが、“利回り=リスクのあらわれ”と捉えると理解しやすいでしょう。  たとえば、競馬の場合は強い馬ほどレートが下がり、逆に弱い馬はレートが上がって万馬券になる可能性もあります。しかし、そのぶん負けるリスクも高くなるわけです。  じつは、不動産にも同じ理屈が当てはまります。  三大都市圏の中では東京が圧倒的に物件の相場が高く、高利回りな物件も多いのですが、リスクが内包されていることをしっかりとわかったうえで不動産投資をやるべきだと思っています。  私が思うに、そもそも“投資”の意味を履き違えてしまっている人が非常に多いと感じています。  投資は英語で「Investment」と言いますが、語源としては、ベストを着せる。ここから「身を守る」という意味があるんです。  要するに「お金や資産を守りましょう」なのに、一攫千金を狙って資産を増やそうとするから自己破産してしまうんです。

基本は「不動産価値が下がらないもの」を買う

書類 手堅く資産を守っていくのが本来の投資のあり方なので、不動産投資で言うならば、きちんと周辺相場を理解し、購入検討中の賃料を把握しておくことです。  そのうえで「不動産価値が下がらないもの」を買うのが大事になってきます。  新規で取得する物件に関しては、「どういうテナントが入居しているのか」を調査しておくのが不可欠です。  反社ではないか、資金繰りが厳しそうなテナントが入っていないか、あらかじめ調べておかないと、引き渡し直後に滞納が始まる場合もあります。  そうならないように、私の場合は最初の段階から決算報告を第三者に開示している会社かどうかも見るようにしています。
開示している会社であれば、BS(バランスシート)を見ることで会社の状況が全部わかるため、たとえ利益が出づらい状況だったとしても、内部留保や人件費などを鑑みて、最低でも契約満了までの賃料は払えるだろうといった形でスクリーニングしていきます。
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初心者が「買ってはいけない」ビルとは?
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株式会社Agnostri(アグノストリ)代表取締役社長。1989年、東京都出身。小学校から高校1年まで野球を続け、厳しい監督に鍛え上げられる。22歳で事業系不動産に特化した不動産売買の会社に就職。中小企業の経営者をターゲットに、ビル売買の営業開拓を実施。その後大阪支店・名古屋支店の立ち上げに携わる。最終的に東京で課長職に就任。会社員時代は1人で50億円を販売しトップセールスに。2018年に独立し、東京都千代田区にアグノストリを設立。会社設立後、年間100億円ほどの売買を締結。著書に『2%の人しか知らない、3億円儲かるビル投資術』(ぱる出版)、『御社の新しい収益基盤を構築する 区分オフィスビル投資術』(ビジネス教育出版社)がある。X(旧Twitter):@agnostri_aoki

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