カーライフ

ノルマをクリアできないと激詰め…最低な上司の行為が招いた「カーディーラー営業マンの悪行」

苦し紛れのカラ契約

 ノルマと呼ばれる強制力のある販売台数を課すことは会社としてしなくなりましたが、言葉を変えて「目標」として成約台数の必達を営業マンに課しています。営業の世界は数字が全てなので、目標を達成していない営業マンに人権はありません。少なくとも私がいたディーラーの店長は、目標を達成していない営業マンをひたすら怒鳴りつけて詰めるという行為をしていました。店舗内では私の1つ上の先輩のCさんは、成績の浮き沈みが激しいタイプの人で、月間目標を200%達成することもあれば30%程度になることもしばしばでした。  全く成績が良くなかった時、例のごとく店長から激詰めされていたCさんは禁断の果実を手に取ることに。その果実とは、架空の商談で決定した架空の契約。わざと納期のかかる車や装備を付けたいとした顧客の商談を行い、見事(?)に受注。もちろん車が完成して出荷されると大変なことになってしまうので、調子の良い時に「キャンセルになってしまった」と誤魔化してキャンセルすることを繰り返していました。  実は、このカラ契約は店舗全体でグルとなって行うこともあり、土日のフェアの時に目標台数に届いていない時に翌週確実に決まる商談を先方して受注したことにしてしまう、といったこともありました。店舗を統括する部長が店長を厳しく詰めることもあり、店長もそれが怖いのでかカラ契約をしてしまうのです。自分がやられて嫌なことを部下にする、最低な上司の最低な行為が招いた出来事でした。  ここで怒った悪事や事件は私の周りで実際に起こった出来事。皆さんがよく利用しているディーラーでも起こっているかもしれません。 <文/宇野源一>
埼玉県在住の兼業ライター。大学卒業後、大手日系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。X(旧Twitter):@gengen801
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