更新日:2024年09月19日 17:00
ライフ

老舗寿司チェーン「かっぱ寿司」でひとり飲みの興奮。100種類以上ある“110円メニュー”すべてが極上の肴だ

今日はどう攻めよう

 1品目と1杯目を勢いでいってしまったが、ここからあらためて、じっくりかっぱ寿司と向き合っていこう。なにしろ選択肢は豊富だ。なんたって、110円商品が100種類以上もある。メニューを眺めているだけでうきうきしてくる。  そのなかには「こぼれかにカマコーンマヨ鬼ペッパー包み」なんていう、開発者の「とにかく要素をマシマシに!」という想いが迫ってくるような一品もあって、これは受け止めなければいけないような気がする。

下じきにして販売してほしい

勢いのある並び

 さらに酒飲みにとって嬉しいポイントはいくらでもある。たとえば「シャリハーフ」が選べる寿司がかなり豊富にあること。僕は回転寿司店のシャリハーフ寿司における米部分は、もはや“刺身の薬味”であるという考えを持っている。つまり、リーズナブルに軽くつまめる刺身が選び放題というわけだ。サイドメニューもいい。「刺身盛り合わせ」や「季節の天ぷら盛り合わせ」なんて、いいに決まってる。味のバリエーションがかなり幅広いポテトやからあげ類であえて飲むというのも楽しそうだ。

シャリハーフが選べる嬉しさ

サイドメニューも複数ページにわたる

 さて、ここらでそろそろ今日の方針を決めておかないと収集がつかなくなりそうだ。まず、ビールはもう1杯、必ず頼む。そこに「ちょこっとなす天盛り」(198円)を合わせよう。その後、酒を日本酒に、つまみを寿司に切り替えて、寿司飲みに移行しよう。寿司は当然“酒のつまみ度”を優先しながら選ぶ。近年の僕は食が細くなり、回転寿司なら4、5皿がちょうどいいくらい。ゆえにその制限のなかでどれだけ満足度を高められるかが重要になる。まぁ、飲みながらじっくり考えよう。その時間こそが、回転寿司飲みの醍醐味であるわけだし。

天ぷら屋なみのクオリティ

 お、ビールとなす天がやってきたぞ。醤油は「特選」「減塩」「だし」と3種類あって、ここはだし醤油かな。

我ながらいい組み合わせ

熱々のうちに

 揚げたてのなすをぱくりとほおばると、ざくざくっとした衣の下から、あっつあつとろっとろのなす。心のなかで思わず「天ぷら屋!」と叫ぶ。なすの下にはおろししょうがが隠れていて、それがまたいい。ビールを飲む勢いがさらに加速してゆく。  ちなみに、タブレットに表示された現時点での合計金額が1386円。それでもじゅうぶんすぎるほど安いが、僕は生ビール半額の権利を得ているので、1杯ぶんは無料で飲めてしまっているわけだ。つまり、正確な合計額は847円。って、計算してみたら、引くほど安いな……。

ありがたや

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作法などない自由な時間
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1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。X(旧ツイッター):@paricco

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