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デニーズの名品「ハンバーグカレードリア」を“お得な”つまみに、優雅なランチ飲み<チェーン店ひとり酒>

 ちょっとだけ飲んでから帰りたいけど、わざわざ居酒屋に行くほどではない――。そんなときに重宝するのが「ちょい飲み」のお店だ。吉野家の「吉呑み」を筆頭に、最近ではファミレスやファストフード、大衆中華チェーンなどでもちょい飲みセットを提供するところが広がっている。
パリッコのチェーン店ひとり酒

パリッコのチェーン店ひとり酒(イラスト/パリッコ)

 日常的に酒場へ通い、酒にまつわる連載や本を多数執筆している酒場ライター・パリッコさん@paricco)。普段は地元に密着していて、単独ではちょっと入りづらいような個人店を取り上げている彼に、ベタなチェーン店で飲んでもらう連載「パリッコのチェーン店ひとり酒」。  第4回に取り上げるのは、今年で第1号店オープンから50周年を迎えるファミレスチェーンの「デニーズ」。果たしてパリッコさんはどう立ち振る舞うのでしょうか?

どれが理想の選択か

 ここ数日、ヒマさえあれば「デニーズ」のメニューを眺めていた。  1973年、アメリカの大手レストラン、デニーズ社とイトーヨーカ堂が技術援助契約を結び、日本に誕生したファミリーレストラン、デニーズ。現在はデニーズ社から商標権を買い取り、日本独自の進化を遂げているものの、ほのかに残るアメリカの風にロマンを感じる。
「デニーズ」

「デニーズ」

 そんなデニーズで飲んでやろうと思い立ち、公式サイトのメニューを見てみたところ、あまりにも魅力的な品々が並んでいて、一体どれで飲むのがいちばん自分を満足させられるのか。店に行く前から悩みに悩んでしまっていたというわけだ。  グランドメニューのハンバーグコーナーひとつとっても、王道はもちろん「グラタン風ハンバーグ〜トリュフソース」だとか「あめいろたまねぎソースのスープハンバーグ」だとか「デミ煮込みハンバーグ」だとか、小粋な品が並び、どれもたまらなく魅力的。  また、モーニングで飲むという手も大いにある。税込み682円の「セレクトモーニング」からならば、自分は、ソーセージ、ベーコン、サラダのついた「スクランブルエッグモーニング」に、サイドは「グリルドチーズサンド」を選ぶだろうか。それらをつまみに朝ビールを満喫し、最後にセットドリンクバーのコーヒを飲んで、何食わぬ顔で日常に戻ってゆく。考えただけでも痛快だ。

正解は「ランチ飲み」だった!?

 しかし、検討に検討を重ねた結果、僕がたどり着いた答えはずばり「ランチ飲み」だった。まぁ聞いてほしい。  まずランチには「【昼デニセット】Aセット」「【昼デニセット】Bセット」「バランスプレート」「パスタ・ドリアランチ」「ハンバーグランチ」「丼&麺ランチ」「日替りワンプレートランチ」と、かなりのバリエーションがある。控えめな量の雑穀米と色とりどりのおかずがワンプレートになったバランスプレートも酒のつまみにばっちりだろうし、パスタランチのなかの「唐たまミートスパゲッティ」の、からあげと目玉焼きがミートスパゲティにのったわんぱくっぷりも見逃せない。
「デニーズ」

これとか

「デニーズ」

これとか

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最終的に僕が心に決めたのは…
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1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。X(旧ツイッター):@paricco

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