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ナポリタン320円!ニュースタイル酒場「神田屋」がお手頃すぎ&楽しすぎた<チェーン店ひとり酒>

 ちょっとだけ飲んでから帰りたいけど、わざわざ居酒屋に行くほどではない――。そんなときに重宝するのが「ちょい飲み」のお店だ。吉野家の「吉呑み」を筆頭に、最近ではファミレスやファストフード、大衆中華チェーンなどでもちょい飲みセットを提供するところが広がっている。
パリッコのチェーン店ひとり酒

パリッコのチェーン店ひとり酒(イラスト/パリッコ)

 日常的に酒場へ通い、酒にまつわる連載や本を多数執筆している酒場ライター・パリッコさん@paricco)。普段は地元に密着していて、単独ではちょっと入りづらいような個人店を取り上げている彼に、ベタなチェーン店で飲んでもらう連載「パリッコのチェーン店ひとり酒」。  第5回に取り上げるのは、居酒屋「天狗」や「テング酒場」などを運営するテンアライドが手がけるネオ大衆酒場「大衆スタンド 神田屋」。果たしてパリッコさんはどう立ち振る舞うのでしょうか?

今回は初の“居酒屋チェーン”です

 本連載の担当編集N氏との打ち合わせのなかで「チェーン店であれば、居酒屋で飲んできてもいいですよ」という言葉をいただいた。  これまでこの連載では、ファミレスや中華料理チェーンなど、居酒屋以外の店で飲んできたが、確かに居酒屋にもチェーン店はある。そして、僕はチェーン居酒屋が嫌いということはまったくないが、酒場ライターという仕事がら、どうしても個人経営の、しかもなるべく怪しげな酒場に入店しがちな傾向がある。うん、あらためて、チェーン酒場の良さをじっくりと味わってみるのも、たまにはいいのではないか。  そんな経緯で今回やってきたのは「神田屋」。
大衆スタンド 神田屋

「大衆スタンド 神田屋 池袋西口店」

 神田屋といえば数年前、「和食れすとらん天狗」で有名な「テンアライド株式会社」が新規にオープンした大衆酒場だ。1号店は神田駅近くのガードした付近にあり、できたばかりのころに僕も行ったことがあるが、かなり王道の、ひたすらに安くてうまい立ち飲み系大衆酒場だった。  それが近年、いわゆる“ネオ大衆酒場”と呼ばれる店を意識したような、若者でも気軽に入りやすい雰囲気の酒場に進化し、関東が中心ではあるものの、どんどん店舗を増やしている。そんな神田屋で、今回はじっくりと飲んでみようというわけだ

よし、今日は生ビールから

大衆スタンド 神田屋

ドリンクメニュー

 入店し、まずはメニューを眺めると、これが驚くほどにリーズナブル。生ビール「サッポロ黒ラベル」が税込み319円。僕の愛する「酎ハイ」にいたっては、なんと209円だ。よし、今日は生ビールから始めるか。
大衆スタンド 神田屋

「サッポロ黒ラベル」

 安いからといって量が少ないということもなく、オリジナルデザインの中ジョッキでやってきた生ビール。ちなみに神田屋は昼飲みができる店舗が多く、現在時刻は午後1時すぎ。真夏の日差しを浴びながらたどり着いた涼しい店内でのむキンキンのビールが、たまらなくうまい。
大衆スタンド 神田屋

料理メニュー

 続いてつまみを検討してゆく。メニュー表1枚に収まってしまうシンプルさながら、串、肉系、魚系、一品料理にシメと、かなりバランスの良いラインナップだ。ちょっとひねりの効いたメニューも多く、今日の自分はどの気分なのかと迷わせてくれる楽しさがしっかりある。う〜んう〜ん……。
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酒場で無条件に頼んでしまう1品
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1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。X(旧ツイッター):@paricco

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