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「年間100回以上遠征していた」“元アイドルオタクのアイドル”が武道館のステージに立つまで

ただのアイドルオタクが武道館アイドルへ

――そんなアイドルオタクの小鳥遊さんが、なぜアイドルの道に進んだのでしょうか? 小鳥遊るい:いまの事務所からスカウトをいただいたのがきっかけです。密かに自分が舞台に立つことへの憧れがあったので「このチャンスを逃したらきっと後悔する」と思いアイドルになる決意をしました。問題は、母の説得でした。国立大学に通わせていた娘が、就活中にいきなりアイドルをやりたいと言い出したら、それは不安な気持ちになりますよね……。「それ騙されていない?」「運動音痴なのにステージで踊れるの?」などと、案の定とても心配されました。それでも、“1年やってダメならあきらめる”という条件のもとなんとか納得してもらい、アイドルオタクだった私はステージの上に立つアイドルになりました。 ――アイドルになったばかりの頃は、やはり苦労が多かったのでしょうか? 小鳥遊るい:コロナ禍でデビューライブが中止になり、私のアイドル人生はいきなり無職のような状態からのスタートでした。いざ活動が始まっても、歌やダンスはもちろん未経験で、スキップすらできない私の苦労は絶えることがありませんでした。周りのメンバーはスキルが高くて、ただただ私は必死に付いていくだけ。それでも、アイドルオタクとして自分が憧れていた“理想のアイドル”になりたい。その気持ちだけは人一倍強かったおかげで、どんな辛いことがあってもチャレンジを続けられたと思っています。

「シンデレラストーリーのようだな」と思う

――小鳥遊さんが目指す理想のアイドルとは? 小鳥遊るい:私は、アイドルにはプライベートまで100%を求めてしまうタイプのオタクなんです。オンオフをしっかり切り替えられるのも素敵だけど、休日にしていたことも共有してくれて、常にファンのことを考えてくれるようなアイドルが好き。だから私も、少しでもそんなアイドルになりたいと思いながら活動を続けています。 ――ライブ配信サービス「SHOWROOM」での毎日配信が、1,600日を超える勢いです。これも理想のアイドルを追い求めていた結果なのでしょうか? 小鳥遊るい:そうですね。最初は、コロナ禍でもファンの方と接点を持ちたいと思って始めました。でもいまは、24時間アイドルでいるための大切な居場所だと思って、自分でも楽しみながら配信をしています。そんな毎日なにを話しているの? とよく聞かれるのですが、自分でもわからないんです(笑)。その日あったことや自分の好きなことなどを話しているだけで、あっという間に時間が過ぎていくんですよね。これからも、気軽に立ち寄れる空間を目指して、毎日配信を続けていきます。何かほかのことをしながらでもいいので、たまに私の話を聞きにきてくれると嬉しいです! ――デビューから4年が経ったいま、これまでを振り返ってみていかがでしょうか。 小鳥遊るい:アイドルとしての活動は、“想像していたなかで一番良い未来よりも、もっといい現実”がありました。憧れだった「TOKYO IDOL FESTIVAL」に出演できたり、自分がオタクとして通っていたポップアップストアを出せたり「これは現実?」と思うようなできごとをたくさん経験しました。そして、結成4周年で日本武道館のステージに立てたときの感動は、いまでも忘れられません。自分でいうのもなんですが……アイドルオタクだったあの頃から考えると、まるでシンデレラストーリーのようだなと思うときがあります。
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エンタメ好きなフリーライター。クリエイターやアイドルなどのプロモーション取材を手掛ける。ワンドリンク制のライブが好き。
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