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緩やかに縮小するヤマダデンキ。再び「売上2兆円」を目指すも、人口減少や家電の低価格化に抗えず

大型化、非家電の強化で再起を図るが…

 店舗数が変わらない状況で売場面積が伸びているのは、スクラップ&ビルドで大型店を増やしたことに起因します。従来の3,000㎡台よりもさらに大きい1万㎡前後の店舗を増やし、家電と非家電の両方を充実させた店舗を出店しました。新コンセプト店「LIFE SELECT」は家電や家具、インテリア、生活雑貨など幅広い商品を扱っています。ヨドバシカメラのように、家電単体での事業が厳しくなった大型量販店が家電以外を扱い、GMSのような総合型店舗に生まれ変わっているのは他社も同様です。上層階にレストラン街を設ける店舗もあります。  さて、中期経営計画では25年3月期売上高2兆円、30年3月期売上高2.5兆円という目標を掲げていましたが、現時点ではほど遠い水準です。住建事業は売上の2割程度を占めますが、建築資材の高騰で収益化には苦戦しています。加えて、ヤマダHDは地方のロードサイドを強みとしており、地方衰退の影響をもろに受けることになるでしょう。店舗の集約化がより一層進むと思われます。2位、3位との差は大きいため業界トップの座を維持できそうですが、2兆円台の大台に乗ることはないでしょう。 <TEXT/山口伸>
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_
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