更新日:2024年11月29日 14:25
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大阪王将「ナメクジ大量発生」SNS投稿事件。世間を賑わせた告発者が“実刑判決”となったワケ

店長の供述は「信用できる」と認定

大阪王将

検察側が読み上げた問題の投稿(一部加工)

 判決で須田裁判官は、仙台中田店の店長が事情聴取で「ナメクジの大量発生はなかった」と述べたことは信用できると認定。そして前述の返信についても、過去にザルの裏でナメクジを発見したことがあって注意喚起のために返信しただけで、「ナメクジなどどうでもいいという趣旨ではない」と供述していることについても信用できると認定した。  さらに、他の従業員も「ナメクジ1匹を見たことはあったものの、大量発生していることはなかった」と供述していることから、店長の供述は整合していると評価した。

被告人の証拠写真についての供述は「信用できない」

 一方、これまでの公判で、被告人は「2022年7月12日に被害店舗の冷蔵庫の隙間にナメクジが5、6匹いたのを見た」、「その日以降も5、6匹のナメクジがいるのを複数回見た」などと当時を振り返っている。  特に被告人質問では、投稿当時に話題になった証拠写真について細かく問われていた。その投稿とは、店長と被告人とのLINEのやりとりをスクリーンショットしたもの。LINEには、「ナメクジ超大量発生してます」の文言とともに、証拠写真が送信されている。  当時、冷蔵庫の隙間にナメクジが5・6匹いたという。ただし、写真からはナメクジらしきものが1匹確認できるだけ。それでも、被告人は「ナメクジの処分を急ぎすぎた結果、よく確認していなかった」と供述。  だが、須田裁判官は「被告人の供述は信用できない」としたうえで、「大量のナメクジが発生していたという事実はなかった」と断じた。 「被告人は、大量にいる衝撃で、(略)写真をよく確認していなかったためなどと供述しているが、納得できる説明とは言い難い」(判決から)
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裁判官が「懲役1年の実刑判決」に処した理由
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2002年生まれ、都内某私立大に在籍中の現役学生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴にハマり、傍聴歴6年、傍聴総数900件以上。有名事件から万引き事件、民事裁判など幅広く傍聴する雑食系マニア。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行っている。
X(旧ツイッター):@Gakuse_Bocho

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