お金

30代でFIREを達成した経営者が「1年後に再び働き始めたワケ」。“虚無感に襲われる日々”との戦い

ビジネスは「人に感謝される絶好の機会」

イメージ もうひとつ、FIRE後に強く感じたことがあります。それは、「感謝される機会が減ると、人生はつまらない」ということです。ビジネスをしているときは、自分の提供する価値をお客様に感じてもらえる場面がたくさんありました。たとえば、自分が提供する何かのサービスやコンテンツが「よかった」「役に立つ」と思ってもらえたら、お金という対価が発生します。単なる取引以上に、ビジネスで対価を得ることは、自分が社会で役立っている証明でもあったのだと気が付きました。  でも、FIRE後は仕事がなくなるので、必然的に「社会とのつながり」が薄れていきます。「お金を稼がなくてもいい」という状態でいられることは、ひとつ幸せなことかもしれませんが、その分、誰かに感謝される場面も減ってしまうでしょう。その結果、どこか退屈さを感じるようになったのです。

「お金がある=幸せ」ではない

 FIREした後、海外の富豪たちのセミナーに参加したことがあります。講師たちは、50億円、100億円という資産を持つお金持ちたちばかり。正直、大富豪なので、新たにお金を稼ぐ必要はまったくありません。  しかし、彼らの多くは純粋に「自分の知見が他人のためになれば」「人前で話すのが好きだから」「教えるのが楽しいから」という理由で講演活動を行っている。経済的には「もう十分だ」と感じつつ、自分の好きなこと、すなわち周囲を喜ばせる行為を続けるその姿を見て、「人間って、ただお金があれば幸せになれるわけじゃないんだな」と感じました。
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「もう二度と止まらない」と決めた理由
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富とお金のメンタルトレーナー。ニューヨーク州立大学卒業後、借金苦と人生の挫折からメンタルトレーニングの重要性を学び、不動産ビジネスで成功。その成功体験をもとに、人生を好転させるヒントをSNSで発信。YouTube、X、Instagramなどで合計45万人以上のフォロワーを獲得し、初書籍「親子の法則」の発行部数は6万部を記録。自身が開発したコーチングプログラムは約10年でのべ20万人以上が参加。
X(旧Twitter):@sanrin_hikiyose

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