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月間利用者数「5600万人」、若者認知率「90%」…“外食をしなくなった”日本人にハマったクラシルが狙う「3兆円市場」

若者の認知率は「90%」

 delyはLINEヤフーの連結子会社。ヤフーは2016年にベンチャーキャピタルを通して出資をしていましたが、2018年7月に追加で29.6%の株式を取得。議決権の所有割合は45.6%となりました。93億円あまりで買収しています。  delyは2017年10月期の売上高が3億円ほど。当時は30億円を超える営業損失を出していました。純資産額は20億円。ヤフーはその将来性を高く評価していたことがわかります。  今回の上場の想定売出価格は1170円。これを基に時価総額を算出すると483億円となります。LINEヤフーの上場前の保有比率は50.1%。この出資は成功と言えるのではないでしょうか。上場後も連結子会社という位置づけは変わらないとの方針を打ち出しています。 「クラシル」は20代から30代によく知られており、この世代の認知率は90%を超えています。「クラシル」のレシピは簡単なものが多い理由がここにあります。料理の初心者はクラシル、ある程度の知識やスキルを持っている人はクックパッドという使い分けが意識されるようになっているのです。  若年層はレシピ情報をSNSで取得する傾向が強く、InstagramやX、TikTok、YouTubeの運用に注力していた「クラシル」は、料理初心者を獲得する仕組みそのものが構築されつつあります。大学生の一人暮らしの割合は4~5割。そうした若年層との親和性が高いことは、サービスの強みの一つとなっていると言えるでしょう。

マーケティングにおける「長年の課題」を解決

 delyはレシピサービスを提供しているだけではありません。  急成長しているサービスの一つが「クラシルリワード」。2022年7月から提供を開始したショッピングのサポートアプリです。スーパーなど小売店のチラシを2万店舗以上掲載。ユーザーは「チラシを見る」、「店舗を訪れる」、「買い物をする」などの行動を通して電子マネーなどに交換できるコインを集めることができます。いわゆる「ポイ活」促進サービスの一つです。「クラシルリワード」の2025年3月期第2四半期における月間アクティブユーザー数は188万を超えました。  このサービスはユーザーと広告の出稿をする企業双方にとってメリットが高いのが特徴。ユーザーは購入した商品のレシートをアプリ上にアップすることでコインが得られます。企業は販促の費用対効果を可視化することができるのです。
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「3兆円を突破する市場」で存在感を示せるか
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フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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