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あおり運転が原因で大人3人が涙…「あおってきた意外な人物」とその理由とは

あおり運転の犯人はまさかの「恩師」

「その男性は、私たちが中学3年生のときに担任だったS先生でした。当時は清潔感があり、正義感とヤル気あふれる印象だったのに、昔とは真逆。死んだ目をしたS先生は、Hの声を聞いた瞬間、気まずそうに身を翻そうとしたんです」  その腕をHさんが、つかむ。そして、「どうして、こんなことしてんだよ?」と事情を聞いた。するとS先生はブチ切れモードで、「世の中に悲観した」「お前らみたいなクソどもをあおっただけ」とボソリ。そして、Hさんの手を振りほどこうと腕を振る。  変わり果てたS先生の様子に、真由さんもHさんもしんみり。怒りよりも「何があったのか、話しを聞かせてほしい」という気持ちになったとか。詳しく話を聞いてみるとS先生は、生徒たちにからかわれたり暴言を吐かれたりして精神を病み、教師を辞めたのだという。

3人でしっとり涙する展開に

あおり運転

※画像はイメージです

「そしてそのあとは、再就職にもことごとく失敗するなどが重なったそうです。そのため、理不尽な世の中を恨んで荒んだ生活を送り、『クズどもに制裁を与える気分であおり運転などもするようになった』と話してくれました。これにブチ切れたのがHです」  Hさんは中学時代、S先生とも言い合いになるなどヤンチャしていたのだが、「卒業してからだけど、あんたの言葉とか何回も思い出した」「あんたのお陰で、まっとうに生きようと思った」「いまは真面目に働いて、真由とも結婚予定なのに…」と、悔しそうに言ったのだ。 「S先生の話はいつもHから聞いていたので、『Hは、すごく先生に感謝してたよ』と付け加えたのです。すると次の瞬間、『お前みたいに改心してくれるヤツもいるのか……』と、S先生の目が潤みました。そのあともいろいろと話をし、3人でしっとり涙しました」  そしてS先生は、「心を入れ替えて生き直す」と約束。真由さんは、「Hとともに、その約束を信じてみたい」と話す。理不尽なことも多い世の中、心が折れそうになることもあるが、過去に関わった人たちをガッカリさせる人間にならないよう気をつけたいものだ。 <TEXT/夏川夏実>
ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Twitter:@natukawanatumi5
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