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「食べてるのに帰らせるのかよ!」“駅そば店員”を苦しめる迷惑客。“閉店時間が過ぎても”居座り…

閉店間際に来店した客のはらわた煮えくりかえる一言

 閉店間際 前述した券売機トラブルが起きやすい時間帯というものがある。「営業終了間際」である。  例えば、筆者はワンオペ勤務時は営業終了時間が夜10時だとしたら、9時55分までに券売機前にお客がいなかったら店を閉めるようにしている。  最後の一杯を作っている間に券売機前に次々にお客が並び、いつの間にかドラクエ3のジャケ絵状態になり、いつまでも営業を終えられなくなる恐れあるからだ。    あのカスハラ客が来たのも、営業終了5分を過ぎて筆者が券売機を営業中から営業終了に切り替えていたまさにその時だった。  高齢の男性が「券売機、もう使えないの?」と聞いてくる。 「5分前だし、ひとりくらい大丈夫だろう」と考え、「10時でお店を閉めますが、それでもよろしかったらどうぞ」と説明し、食券購入を認めてしまったのが運の尽きだった。  しかしこのお客、10時5分になっても10分になっても帰らないのである。  筆者が何度目かの「そろそろお店を閉めますので」と促すや、「食べ残ってるのに帰すのかよ」とすごんでくる。 「なるべく急いでいただけないでしょうか?」とお願いするや返ってきたのが、「入れなきゃよかったな」という一言。  はらわたが煮えくり返ったのは言うまでもない。

駅そばの年越しそば事情。早い時間の来店がおすすめ

 この経験を踏まえて、1980年代後半に日本中で話題になった、大みそかのそば店を舞台にした童話「一杯のかけそば」はかなり虚飾に満ちていたことがわかる。 「大晦日の夜10時過ぎ。店主が店じまいをしかけていると、みすぼらしい身なりの母子3人が来店し、3人で1杯のかけそばを注文。店主も気を利かせて黙って通常の1.5倍のそばを提供するやこれが3年ほど続いたという…」  ざっとこんなあらすじだったと思うが、一度ならず3年連続となると、人情を逆手にとった計画的手口と言わざるをえない。  年の瀬のこの時期は駅そば店で年越しそばを食べるという読者も多いだろう。  筆者が勤務する系列店は年末年始も休みなく営業するものの、大みそかと元旦は通常よりも3時間ほど短い。店舗によっては年内の最終土曜日から三が日まで9連休というところもある。  会社勤めをしている普段のお客の売り上げが望めないためだ。年越しそばといっても、薄利多売の駅そば店はかなりドライな経営なのである。  そして年末年始は通常営業ではないだけに食材の発注量が難しい。かき揚げなどはお昼を過ぎるころには売り切れる場合もある。大みそかにお目当てのそばを食べたいなら早めの来店をおすすめする。 <文/ボニー・アイドル>
ライター。体験・潜入ルポ、B級グルメ、芸能・アイドル評などを中心に手掛ける。X(旧Twitter):@bonnieidol
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