一口も食べないまま電車へ…“駅そば店員”が遭遇した迷惑客。実は「冷やし=早い」は誤解?
駅そばは駅ナカという立地や値段設定による敷居の低さが魅力のひとつだ。ただ、なかにはそんな敷居の低さゆえに勘違いし、横暴になるお客も少なくない。現役駅そば店員である筆者がこれまで遭遇した、思わず顔を二度見してしまったお客や腹の立ったエピソードを紹介する。
ある日、男性客に冷やしたぬきそばを提供すると、いきなり「誰が冷やしなんか頼んだよ!」と叫び睨んできた。しかし、手元の食券にはたしかに「冷やし」と書かれている。お客に食券を見せ確認をしてもらうと、「しょうがねえから、食ってやるか」と言い放ちそばを食し始めた。
あまりの傲慢な態度に一瞬腹が立ったが、今思えば冷やしの提供スピードを勘違いしてたがゆえの態度だったかもしれない。急いでいるお客が最も多く誤解しているのが「冷やしそばは早い」だ。
冷やしはお客にとって早く食べられるのであって、提供する側にとっては実は温そばよりも倍近い時間がかかるのである。温そばにはない麺の粗熱とぬめりを取り、氷水で麺をしめる工程が入るためだ。
そのようなお客が「冷やしは早い」という先入観でざるそばなどを注文したらどうなるか。そばを半分以上残したまま食べ散らかし、電車に飛び乗っていく姿はこの時期によく見られる光景だ。
ただ、どんなに傲慢な態度のお客でも、提供したそばを食べてくれるだけマシかもしれない。以前、ランチタイムの注文が立て込んでいる状況のなかで中華そばの食券を出したものの、カウンターに提供されるや一口も食べずに店を出たお客がいた。
急いでいるそぶりを見せておいて、時間がかかるメニューを頼まれるとこちらも腹が立つ。その代表が「中華そば」だ。麺の茹で時間は、そばが5秒未満であるのに対し、中華そばは30秒以上はかかる。盛り付けるトッピングもチャーシュー、メンマ、わかめ、ネギと多いため、どんなにベテランが作っても全体で90秒はかかってしまうだろう。
そもそも、急いでいるのはそちらの都合であって店側には関係のないことだ。急ぐからにはお客にも店の状況に合った注文をしてもらいたい。
「冷やしは早い」とカン違いしてキレる客
一口も食べないまま電車へ飛び乗る姿も
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