エンタメ

松本人志インタビュー、2つの大問題。“反省”は期待できない“松本思考”とは

文春が提出した証拠約20点のショッキングな中身

裁判取り下げ時に、鹿島氏はスポーツ新聞各紙の「記者の目」を読み比べて、気になったポイントを『半信半疑のリテラシー』の未収録原稿に書いている。 日刊スポーツは、こう記していたという。 《文春側は第2回弁論準備へ向けて約20項目の証拠を提出していた。女性への取材内容や松本らとのやりとり、酒席にいた放送作家への取材データなど多様で、ここまでの報道にあまり出ていなかった同席タレントについてなども触れられていた。 裁判が進めば当時の出来事がさらにつまびらかになり、『FRIDAY』の関連記事で訴訟を起こした渡邊センスや松本と同じく活動休止したスピードワゴン小沢一敬ら以外にも影響が及ぶ可能性は高かった。》(日刊スポーツ、11月9日) この証拠が明らかにされる前に、松本側が裁判を取り下げた、というニュアンスで同紙は報じていた。

「松ちゃん勝利」と誤解される報道も

また、スポーツ報知には疑問を感じたと、鹿島氏は指摘する。 「かなり疑問に思ったのがスポーツ報知の一面見出しだ。『文春と電撃終戦 松本人志』として、その横に『強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました』という松本氏側のコメントを大きく載せていたのだ。  そして端っこのほうに、『心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば、率直にお詫び申し上げます』という女性たちへのコメントを小さめに載せていた。  これ、順番と大きさが逆でしょう? 松本側が謝罪をしたという事実が大きいと思うのだが、『強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました』をデカく載せると、まるで松本側の勝利宣言に見えてしまう人もいるのでは?」(『半信半疑のリテラシー』未収録原稿より) 松本人志の活動再開をファンが喜ぶ気持ちはわかる。ただ一方で、今回のインタビューを含めた報道を、冷静に読み解くことも必要ではないだろうか。
次のページ
このままで復帰に期待していいのか
1
2
3
4
半信半疑のリテラシー 半信半疑のリテラシー

ニュースを疑え!時事芸人による渾身のメディア論

おすすめ記事
ハッシュタグ