更新日:2025年01月17日 17:21
恋愛・結婚

30代女性漫画家が、独身の男友達に片っ端からプロポーズした理由「父親の会社が倒産し、借金が1000万あり…」<漫画>

キスの味は「ホタルイカ」

――コロナ禍でも婚活をしていましたが、そのときとの違いは? 磋藤にゅすけ:当時は、実家が無くなるピンチから抜け出すため、仕方なくマッチングアプリをしているという感じでした。ただ、焦りの感情からか、バカになっていたことは認めます。 メッセージをやり取りしている段階で「もう付き合っちゃおうよ!」と言われたときも「マッチングアプリってそんなものなのか……」と思い受け入れたことがありました。 そのまま相手の自宅に招待され、ホイホイと向かうネジが飛んでいた私。どうやらお魚屋さんを営んでいたようで、ものすごく豪華で美味しい刺身盛りをごちそうしてくれました。 ほどなくして、そういう感じの雰囲気になったわけですが、キスの味がホタルイカだったことはいまでも忘れられません(笑)。その後、あえなく音信不通になりました。

当時は「常に後ろめたい感情をもっていた」

――当時を思い返して、特に辛かったことはなんだと思いますか? 磋藤にゅすけ:社会に貢献ができていない自分に、常に後ろめたい感情をもっていたことが辛かったです。 私が「実家暮らし」と判明したときの、周囲からの冷たい反応が、その気持ちに拍車をかけていきました。とくに、漫画の仕事が増えてさまざまな人とかかわるようになってから、社会的にものすごく下に見られていることを実感しましたね。 実際に親に甘えていたことは事実だったので、友人が子どもを連れているのを見たときは「人生のステージが違う……!」と落ち込んでいました。 それでも、家に借金ができて、返済を手伝うことを決意してはじめて、社会の一員になれた気がしたことはよく覚えています。子ども部屋にいる娘から「家族のメンバー」に昇格したような感覚が正しいかもしれません。 自分にもできることはあるんだなと思えたことが、自信につながったんだと思います。 ――今後は、どのような作品を描いていきたいと思っているのでしょうか? 磋藤にゅすけ:これからも、作風を定めずにさまざまなスタイルの漫画を描いていくなかで、エッセイだけでなく創作にも力を入れていきたいと思っています。 とくに「読者をヒリヒリさせたい」という気持ちがあるので、作品にもどんどん落とし込んでいくつもりです。予想を超えるサスペンス的な展開で驚かせたり、ときには不安で仕方なくさせたりする力をさらに身に付けていくのがいまの目標といえますね。 読者の方をストーリーでぶんぶん振り回すと、なぜか喰らいついてきてくれて、次の作品も楽しみに待ってくれるんですよ。そういった反応をしめしめと見れるのは、やはり漫画を描いていて楽しいと思える瞬間です。
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マイナスに転がっていく現状を止めるためには…
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エンタメ好きなフリーライター。クリエイターやアイドルなどのプロモーション取材を手掛ける。ワンドリンク制のライブが好き。
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