佐々木朗希「ポスティング狂騒曲」はドジャース入団で決着。大谷翔平に続く「獲得失敗」で“解体危機の球団”も
令和の怪物が身に纏うのはやはり“ドジャーブルー”と呼ばれる青いユニホームだった。
佐々木朗希がポスティングシステムによるメジャーリーグ挑戦を表明したのは昨年の11月。ロッテに在籍したのがわずか5年という短い期間だったこともあり、当初は“恩知らず”などと強烈な批判にさらされた。
しかし、吉井理人監督はじめ、ロッテが佐々木を快く送り出したこともあり、若武者に対する批判の声も徐々に沈静化。その行き先に注目が集まっていた。
ただし建前上は、そのドジャースと並んでパドレスとブルージェイズが佐々木獲得を最後まで争ったとされる。特にブルージェイズは、1年前のオフに大谷獲得に失敗した過去もあり、2年連続で日本の宝を逃すまいと、かなり本気だったはずである。
その証拠に、佐々木との交渉が最終局面を迎えた時点で、佐々木と球団幹部が話し合いを持った場にボー・ビシェット、ドールトン・バーショ、チャド・グリーンといった主力3選手が同席していたという。特にビシェットはブルージェイズの顔とも呼べる選手で、佐々木獲得の切り札として登場したのではないか。
しかし、佐々木はブルージェイズを選ばなかった。一部報道によると、佐々木は1次選考を突破した8球団に対して、ある宿題を課していたという。23年から24年にかけて、なぜ佐々木の速球(の平均球速)が落ちたのか。その原因を突き止め、二度と起きないと保証するためのプランを提示させるというもの。これに対して、一部では「上から目線」「何様」という批判めいた意見もあったが、それだけ球団探しに本気だったとも考えられる。
結局、佐々木のお眼鏡に叶ったのは大本命ドジャースだったわけだが、心配になるのが最後の最後に落選の憂き目を味わったブルージェイズの将来だ。
大谷が佐々木獲得のために暗躍していた?
そして、「やはり」というべきだろうか。メジャーのほぼ全球団が“25歳ルール”によって格安で獲得できる佐々木に興味を示していた中、日本が誇る右腕の獲得に成功したのは昨年のワールドシリーズチャンピオン、ドジャースだった。 ドジャースといえば、いま最も日本で人気のある海外スポーツ球団の一つ。もちろん、スーパースター大谷翔平が所属しているためだが、30年前にメジャーを席巻した野茂英雄の存在も大きい。 当時、近鉄とケンカ別れする形で野茂が海を渡ったのは1994年のオフだった。デビューから4年連続最多勝と奪三振王に輝いたドクターKは日本球界の大エースとしてすでに1億円プレーヤーに上り詰めていたが、大金を蹴って年俸わずか10万ドル(当時のレートで約980万円)でマイナー契約を結んだのがドジャースだった。 当時の野茂は“ルール違反”ともいえる手法で日本を去ったため、国内メディアから大バッシングを受けた。ところが、ストライキの影響で人気凋落が顕著だったメジャーリーグで“トルネード旋風”を巻き起こすと、手のひらを返すようにスポーツ紙では野茂の活躍が連日報じられた。 あれから30年の時を経て、同じドジャースとマイナー契約を結ぶこととなった佐々木。あの時の野茂の姿を重ねるファンもいるだろう。 日本から近い西海岸ロサンゼルスに本拠地を置くドジャースは、日本人選手にとって人気球団の一つであり続けてきた。野茂に始まり、石井一久、黒田博樹、そして大谷、山本由伸らがドジャーブルーに憧れを抱き、青いユニホームに袖を通してきた。 今回、佐々木がドジャースと契約を結んだ大きな理由の一つとして、同郷・岩手県出身の大谷の存在が大きかったことは想像に難くない。チームメートとして2023年のワールド・ベースボール・クラシック優勝の喜びを分かち合い、その後の大谷の大活躍も日本からしっかり見ていたはずだ。 ドジャースの球団幹部に、いち早く佐々木獲得の一報を伝えたのも大谷だったというニュースも漏れ伝わっている。佐々木がドジャース加入を決めた背後には大谷が“暗躍”していた可能性も否定できない。当然、同郷の憧れの先輩から“一緒にプレーしよう”と声をかけられれば、断る方が難しいはずだ。
ブルージェイズは大谷に続く「失恋」に…
佐々木の獲得希望球団に対する“宿題”に批判の声も
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1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。
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