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「運が良すぎる」佐々木朗希の“新人王”は絶望的?ドジャースは「投手・大谷」に頼らざるを得ない可能性も

 ロスジェネ世代の野球ライター2人が野球界の話題を取り上げる新企画の第2弾。アメリカでの生活経験を活かし、日刊SPA!などでMLBを中心とした記事執筆などを手掛ける八木遊と、野球専門誌の編集畑出身で現在はフリーライターとして活動する上村祐作がお届けする。  前回は中日の話題を中心にお届けしたが、ドラゴンズ投手陣が見事な活躍で、2つあった借金を返済してみせた。この勢いで混セの主役に名乗りを上げてほしいところだ。  今回は日本人選手3人が所属するドジャース、そしてパ・リーグの新人王争いについて意見をぶつけ合う。

「投手・大谷」に頼らざるを得ない可能性も?

八木遊(以下、八木):先週はお互いに高く評価している中日が3勝1敗の好成績で勝率5割に復帰。ただ打線は相変わらずサッパリだった。 上村祐作(以下、上村):「3点取れば勝てる野球」というお話をしましたが、まさにその通りになりました。新外国人のボスラーにも待望の一発が出ましたし、打線も多少は上向くはず。戦える状態になってきましたね。 八木:その中日とユニフォームがそっくりなドジャースだけど、大谷翔平が“父親リスト”に入って2試合に欠場。復帰戦はノーヒットに終わったけど、今季の打撃をどう見てる? 上村:今のところ好不調の波がやや激しい印象ですが、最終的に3割には乗せてくると思います。 八木:今季は少し長いバットを使っているから、今はアジャストの最中かな。 それでいて6本塁打だから、三冠王は間違いないと思ってる。 上村:今季は二刀流なので、どれだけ投げるか次第でしょうね。ドジャースは投手陣に故障者が多いので、投手・大谷に頼らざるを得なくなる場面も出てきそうですし。 八木:投手陣はトレードで補強するなりして、今季も大谷は打者一本で行ってほしい。ケガも多い選手だから二刀流は負担が大きすぎるよ。クローザーとして1週間に2回程度の起用ならわかるんだけど。 上村:いずれにしてもチームファーストの選手なので、勝つために最善の役割を果たそうとするでしょうね。

惜しくも初勝利を逃した佐々木朗希は…

八木:その大谷が父親リスト入りしている間に、佐々木朗希がメジャー初勝利にあと一歩の投球だった。 上村:勝たせてあげたかったですね。投手は白星が付くか付かないかで精神的にも全然違うって言いますから。 八木:フォーシームの球速低下や制球の課題はまだまだあるけど、10勝&新人王は今も狙えると思ってる。 上村:それは難しいと思いますよ。本塁打性の当たりを好捕してもらえていなかったら、今頃防御率は5点台じゃないですか? 被ハードヒット率も高めですし、今後数試合のうちに大量失点もありそう。 八木:たしかに過去2年で本塁打を3本しか打たれていなかった投手が、すでに2被弾か……。メジャーの打者はやっぱりパワーがすごいね。 上村:投球フォームの力感とボールの強さが合っている感じなので、打者はタイミングが取りやすいかもしれません。すぐにはないでしょうが、いずれフォーム改良に着手する可能性があると思っています。 八木:なるほど。160キロが出ていても、そこまで速く感じないってことね。

ドジャースの地区優勝は簡単ではない

八木:ところでドジャースはメジャー記録のシーズン117勝も狙えそうだったけど、さすがにそれは厳しそうだね。 上村:パドレス、ジャイアンツ、ダイヤモンドバックスと同地区ライバルが軒並み好調ですから。 八木:どの球団が怖い? 上村:パドレスじゃないですか。ダルビッシュも戻ってくれば、あの投手陣は相当手強いですよ。 八木:パドレスも怖いけど、ジャイアンツもなかなか。2年目の李政厚が出塁率と長打率で大谷を上回っているんだよね。 上村:たしかにセンスは感じます。“韓国のイチロー”なんて呼ばれていますけど、タイプ的には秋信守に近いと思っています。 八木:いずれにしてもドジャースはそう簡単に地区優勝とはいかないだろうね。やはり佐々木が新人王を獲るくらいの活躍をしてくれないと。
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来年のWBCで日本のショートを守るのは…?
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1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。

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