大谷翔平、絶好調の裏で「気がかりな数値」も…昨季と比べて急降下している「バレル率」が示すものは
今季もメジャーリーグを盛り上げるのはこの男しかいない。現地時間2日(日本時間3日)のブレーブス戦で自身2本目のサヨナラアーチを描いたドジャースの大谷翔平だ。
先月行われた東京シリーズの2試合を含め、開幕からの3試合で2本塁打を含む5安打を放った大谷。チームとともに絶好の開幕ダッシュを決めた“日本の至宝”だったが、その後の4試合は単打2本だけと自慢のバットはやや湿りがちだった。
一時は4割を超えていた打率も、前日(1日)の試合終了時点で.280まで下降。ブレーブスとの3連戦最終戦も2打席目まで凡退し、この時点でシーズン打率は.259まで落ち込んでいた。
「特に甘い球を打ちたいなと思っていた」
試合直後のインタビューで会心の一撃を振り返った大谷は、「観衆の後ろのほうから『ボブルヘッドデーなんだから、ホームラン打てよ』と言われたので」とおどける余裕も見せた。
この日の試合は、昨年のMVP受賞を記念した大谷のボブルヘッド人形が来場者に配布されたこともあり、試合前から球場には多くのファンが駆け付け、長蛇の列ができたという。まさに大谷の大谷による大谷のための試合だったわけだが、自らのバットで“勝利の花火”を打ち上げたのは、さすが千両役者といったところだろう。
これで開幕からの連勝を8に伸ばしたドジャースは移動日を1日挟み、5日(日本時間)からは敵地フィラデルフィアとワシントンで6連戦に臨む。フィリーズの本拠地シチズンズ・バンク・パークといえば打者有利な球場として知られているが、大谷は過去9試合に出場し、39打席ノーアーチといまだ柵越えがない数少ない球場の一つでもある。フィリーズファンからの容赦ないブーイングも予想されるが、ここで一発が出れば昨季終盤のような量産態勢に入ってもおかしくないだろう。
ただ、上り調子の大谷にとって、やや“気がかりなデータ”もある。それが、今季の大谷はバレルゾーンの打球が極端に少ないことだ。
バレルゾーンとは、長打が出やすい打球速度と打球角度の組み合わせのことで、具体的には速度が98マイル(約158キロ)以上、角度が26~30度の打球のことを指す。
54本塁打を放った昨季は159試合に出場し、103ものバレル数を誇った大谷。ところが、今季はまだ8試合を終えた時点とはいえ、バレルゾーンの打球は1本だけだ。2日に飛び出したサヨナラ弾も打球速度は102.5マイル(約165キロ)と条件を満たしていたものの、打球角度が31度とやや高く、ゾーン外だった。
劇的なサヨナラ本塁打で開幕8連勝に貢献
チームも初回から守備が乱れて、2回表を終えた時点で5点のビハインド。ついに開幕からの連勝に終止符が打たれるかと思われたが、ここで終わらないのが今季のドジャースだ。2点差に詰め寄った8回裏にマックス・マンシーが同点タイムリーを放ち、試合を振り出しに戻した。 最終回のブレーブスのマウンド上にいたのは、8回途中から救援したライセル・イグレシアス。2021年から22年途中までエンゼルスに在籍し、大谷と同じ釜の飯を食った元同僚である。 ブレーブス不動の守護神が大谷の初球に投じたチェンジアップは真ん中外寄りの甘いコースに。この失投を大谷が見逃さず、芯でとらえた打球がセンター方向に舞い上がると、中堅手の頭上を越えてサヨナラ本塁打。大谷にとって5試合ぶりの今季第3号は、自身2度目となるサヨナラ弾となった。 大谷はこの一発で今季初の猛打賞も達成。チームの逆転勝利に貢献するとともに、一気に打率を.333に引き上げことにも成功した。
“ボブルヘッドデー”での活躍にファン大興奮
今季の大谷の“気がかりなデータ”とは
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1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。
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