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ドジャース、投手陣「11人離脱」の異常事態で本土開幕へ。ベッツ体重激減、佐々木朗希に託される期待

 大成功を収めたMLB東京シリーズから早1週間。日本時間28日にアメリカ本土で全球団が一斉に開幕を迎える。  先日の東京シリーズでカブス相手に2連勝を決めた大谷翔平擁するドジャースは、28日から本拠地ドジャースタジアムでタイガースとの3連戦。仕切り直しの再スタートを切る。

本土開幕戦の先発はスネルと発表

佐々木朗希

写真/産経新聞社

 ロバーツ監督が本土での開幕投手に指名したのは、左腕のブレーク・スネルだ。阪神とのプレシーズンゲームでは佐藤輝明に豪快弾を浴び、5回途中3失点と納得のいく投球ができなかったが、“本番”で本領発揮といきたいところだろう。  続く2戦目に山本由伸、そして3戦目には佐々木朗希が、それぞれ今季2度目の先発マウンドに上がる予定となっている。  東京で絶好のスタートダッシュを決めたドジャースとしては、3本柱で連勝を一気に伸ばしたいところだが、そうは問屋が卸さないだろう。というのも、対戦相手のタイガースは昨季後半戦に怒涛の如く白星を重ね、10年ぶりとなるポストシーズンに進出した難敵である。伸び盛りの若手が多く、昨季以上の躍進が期待されている。  なかでも第1戦に先発予定のタリク・スクバルは、昨季18勝4敗、防御率2.39の好成績で、ア・リーグのサイヤング賞に輝いた現役屈指の左腕。大谷翔平を通算6打数無安打、1三振と完璧に封じ込んでいるだけにドジャースとしてはできるだけ早いイニングに攻略の糸口をつかみたいところだろう。スクバルを打ち崩すことができれば、おのずと開幕5連勝も視界に入ってくるはずだ。

ベッツの健康状態は深刻とみられていたが…

 ただ、8日越しの勝利を狙うドジャースにとって、いま必要なのは、タイガース対策ではなく、自チームの立て直しかもしれない。  ここ数日間でドジャースの大きなトピックになっているのが、ムーキー・ベッツの健康状態である。東京シリーズには帯同したものの、体調が整わず一足先に帰国の途に就いたことは周知の通り。その後も原因不明の嘔吐が続き、約2週間にわたって固形物を摂れなかったという。  その間に79kgあった体重は68kgまで激減。一流のアスリートにとって11kgもの体重減は深刻といわざるを得ないが、ベッツはオープン戦の最終戦に出場し、何とか本土開幕戦にも出場できそうだ。ただ、復帰戦で3打数無安打だったように、完調には少し時間を擁するかもしれない。

投手陣は“異常事態”のまま開幕へ

 そしてドジャースの懸念はベッツの体調だけではない。それ以上に深刻なのが投手陣の状況である。  26日現在、ドジャースは投手だけで11人もの選手が負傷者リスト(IL)入りしている。ドジャース公式サイトに掲載されている40人枠のページを見ると、15日間の負傷者リストに6人、60日間の負傷者リストには5人が入っている。これだけもの投手がILリスト入りして開幕を迎えるのは異常事態といえるだろう。  11人のなかには、通算212勝のクレイトン・カーショーや、昨季11勝を挙げたギャビン・ストーン、22年に16勝1敗の好成績を残したトニー・ゴンソリンといった先発陣のほか、守護神候補のマイケル・コペック、エバン・フィリップスなども開幕絶望という状況だ。  並みのチームなら、これだけ離脱者が出れば大幅な戦力ダウンは否めない。しかし、そこは積極補強で絶対的な層の厚さを誇るドジャース。先発陣には佐々木が、救援陣にもタナー・スコットカービー・イエーツといった新戦力が加わっており、致命的なダメージを受けるまでには至っていない。
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佐々木朗希の活躍もカギとなるワケ
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1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。

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