タイに移住、ギャル男から経営者へ。36歳男性が明かす“バンコクで働くこと”のリアル「ギリギリの生活をして本当に幸せなのか」
長引く不況や将来への不安から、海外で新たな挑戦を決意する日本人も少なくない。
タイの観光地やグルメ、アクティビティ、ナイトライフなどを発信するYouTubeチャンネル「TJ Channel Thailand」の運営者であるTJこと田島勇祐さん(36歳)もその一人だ。
現在はタイ法人「TNJC CO.,LTD」の代表として広告代理店業務やSNSマーケティングに携わりながら、バンコクのコヨーテクラブ(※コヨーテ嬢と呼ばれるタイのダンサーが行うショーや生演奏バンドがあるクラブ)の経営にも関与し、夜のビジネスにも進出している。
TJさんは多忙な日々を送っているが、タイ移住の経緯や生活のリアルについて話を聞いた。
日本人の父とタイ人の母のもと、埼玉県で生まれ育ったTJさん。タイに住んでいた時期もあるが、日本に戻ってからは「ハーフ」としてのアイデンティティに悩み、いじめを受けたこともあったという。
「その影響で、自分のルーツであるタイに対して複雑な感情を抱いていました。高校卒業後は専門学校に進学しましたが、すぐに中退。あの頃、ギャル・ギャル男ブームに夢中で、どうせやるなら有名なイベントサークルに入ろうと思ったんです」
18歳から20歳までイベントサークルの代表として活動した後、埼玉県のキャバクラで黒服として働いたTJさん。そして、22歳の時に十数年ぶりに母親と訪れたタイでの体験が人生を大きく変えることになった。
「タイに到着した初日に叔父にバンコクの夜の店に連れて行かれて衝撃を受けたんです(笑)。でも同時に、温かく迎えてくれた親族に対して、タイ語を話せない自分が申し訳ないとも感じました。それをきっかけに『タイ語を話せるようになってタイで働いてみたい!』という思いが芽生えたんです」
帰国後、夜の仕事と旅行代理店を掛け持ちしながら貯金をして、27歳で“タイの東大”とも呼ばれる名門校・チュラーロンコーン大学に語学留学。そこでタイ語を学び、タイでの将来に向けた基盤を築き始めた。
「最初は3ヶ月でタイ語をマスターしようと思ったんですが、そんなに甘くなく、結局は1年間通いました。その間、何か面白いことをしたくてYouTubeチャンネルを開設したんです。当時、流行っていた『ポケモンGO』をプレイする動画を投稿していましたが、登録者数が伸びず、2ヶ月くらいでYouTube活動を休止しました。
でも、視聴者から『応援しています』『次の動画を楽しみにしています』というメッセージをいただいて、こんなに応援してくれる人がいるならやめるわけにはいかないと思いましたね」
その後、本格的にYouTubeに取り組んだTJさん。視聴者のニーズを徹底分析したと話す。そこで、タイの情報や当時はまだライバルが少なかった「夜系コンテンツ」を取り入れたことで注目を集め、チャンネルは徐々に登録者数を伸ばしていった。
タイ・バンコクで親族に“夜の店”まで連れて行かれて衝撃(笑)
“タイの東大”に語学留学しながらYouTuberに
1
2
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
記事一覧へ
記事一覧へ
【関連キーワードから記事を探す】
「昼夜を問わず現場へ」34歳の元テレビマンがYouTubeの世界で挑戦。“テレビでは取り上げられない部分”を意識して
タイに移住した日本人が明かす「生活費は月5万バーツ(約23万円)」のリアル。現地でカフェ経営に失敗しても…
タイに移住した36歳男性が明かす、“食費だけで10万円近い”リアルな生活費「屋台飯はあまり食べなくなった」
タイに移住、ギャル男から経営者へ。36歳男性が明かす“バンコクで働くこと”のリアル「ギリギリの生活をして本当に幸せなのか」
タイ人の観光客が“北海道”を好んで訪れるワケ「その美しさに言葉が出ませんでした」
この記者は、他にもこんな記事を書いています