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日銀の追加利上げが決定。住宅ローン、どうする!? 変動金利と固定金利のどちらがいいのか考える

住宅ローンを組むならどの銀行を選ぶべき?

深野:ちなみに、住宅ローンを選ぶとしたら、なるべく金利が低い銀行を選ぶのが鉄則ですが。昨今ではどんな銀行がオススメですか? 塩澤:これだけ「金利が上がる」と言われていても、ネット銀行の変動金利の住宅ローンでは0.3%台も珍しくありません。ただ、単純な金利の低さだけでなくて団体信用保険の中身にも注目すべき。auじぶん銀行の住宅ローンの場合には、ベースの金利に上乗せせず5大疾病への保障がつきローンが50%減になる変動タイプもあります。無料付帯する団信価値を金利から差し引いた実質金利は0.169%で非常にお得です。PayPay銀行もがんと診断されたらローンが50%減になる団信があります。 深野:変動金利が低い状態が続いていますから、各行も団体信用生命保険で差別化を図っていますね。 塩澤:もう一つ、深野さんに伺ってみたいのですが、繰り上げ返済はすべきだと思いますか? 私は繰り上げ返済はしなくていいと思う派です。これだけローン金利が低いのですから、返済期間はできる限り延ばして負担を軽くして、その期間に株や投資信託などで運用を行い資産を築けばいいと考えるのですが……。 深野:若い方であれば、確かにそれも当てはまると思います。ただ、私自身ももう60代で、同世代を見ていて実感しますが、繰り上げ返済は「65歳時点でのローン残債の有無」によると思います。定年以降はどうしても給与が減るし、それまでの暮らしをダウンサイズするのも難しい。現役時代と同額の住宅ローンを返済するのはかなり負担だと思います。ですから、自分自身のライフプラン上の節目で余裕資金を使って65歳時点での完済を目指して帳尻を合わせるのがいいと思います。 塩澤:視点をどこに置くかによっても、住宅ローンをどうすべきかも変わりますね。

塩澤氏が推薦! 住宅ローンTOP3

■1位 auじぶん銀行 表面金利0.345%/実質金利0.245%……表面金利は安いものの、無料付帯分の団体信用保険は0.1%で死亡時・高度障害時のみ ■3位 三菱UFJ銀行 表面金利0.42%/実質金利0.17%……上乗せ金利なしで、がん50%保障の団体信用生命保険が付いているのが強み。自然災害保障も ■2位 PayPay銀行 表面金利0.479%/実質金利0.169%……がん、脳梗塞、心疾患、など5 大疾病で60日以上の入院だと50%になる団信が無料で付帯
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深野康彦氏

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【住宅ローンアナリスト・塩澤 崇氏】 MFSの取締役COO。住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」を運営。住宅ローン事情に詳しい。著書『金利が上がっても、住宅ローンは「変動」で借りなさい
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構成/上野 智(まてい社) 図版/ミューズグラフィック
ファイナンシャルリサーチ代表。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。その後、1996年に独立し、現在の有限会社ファイナンシャルリサーチは2社目の起業。FP業界歴35年(2024年10月現在)を誇り、そのキャリアを通じて日本経済の浮沈を見守ってきた。メディア出演やセミナーを通じて、資産運用や住宅ローン、生命保険、税金、年金など幅広く「お金の知識」を発信している。著書『金利で損しない方法、教えてください!人気FPが教える金利上昇時代の「お金の新ルール」
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