パンクバンド「SHOT THE RADIO WITH A GUN」を率い、ベースボーカルをつとめるコクーンさん(画像提供/Molly)
「脳出血は、言わば脳の欠損です。右半身が麻痺し、舌もまわらない。いまだに“さ・し・す・せ・そ”、“た・ち・つ・て・と”をはっきり発音できないです。納豆や卵など“混ぜる”行為も難しい。お医者さんからは『元には戻りません』と告げられています。だから完治を目指すのではなく、『この状態が僕の第2の人生なんだ。シーズン2なんだ』と考えるようにしているんです」
日夜、脳出血の後遺症と闘う大阪在住のベーシスト、コクーンさんはそう語る。
自ら率いるバンド「SHOT THE RADIO WITH A GUN」のデビューアルバム『無線撃銃』を2月にリリースしたばかりのコクーンさん。16歳からライブハウスのステージに立つ筋金入りのパンクロッカーだ。結成40周年を目前とする老舗パンクバンド「THE INDEX」のメンバーでもあり、さらに元ロリータ18号のMAYUCHIと組んだ「ザ・マユチックス」や、元チェッカーズ・大土井裕二の「大土井バンド」に参加するなど多方面で活躍している。
「中学生の頃に音楽番組『ベストヒットUSA』でイギリスのパンクバンド、ザ・クラッシュを知って衝撃を受けました。それ以来ずっとパンクロックをやっています」
高校時代にステージデビューを果たし、以来、40年にわたり関西のインディーズシーンに君臨してきたコクーンさん。そんな彼が脳出血を発症したのは2020年10月3日。大阪・南堀江のライブハウスにて、ザ・マユチックスで演奏していたステージ上での出来事だ。
「2曲目を弾き終ったとき、急に右半身が動かなくなったんです。メンバーに伝えたくても呂律がまわらなくて言葉にならない。ライブ前に少しお酒を飲んでいたので、『酔ったのかな』と思ったんですが、それにしても具合が悪い。そして、ついに意識を失い、ステージ上で転倒しました」