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40歳で脳梗塞に。後遺症とリハビリの壮絶な日々

 三大疾病「がん・脳卒中・心筋梗塞」が急激に増える40~50代。実際にそれらを発症しながら生還した人の話を聞き、病の実情と生き残る方法や気になる治療費など徹底取材した。 [早死にしない]生き方

生死だけではない現実。当事者が語る後遺症とリハビリ

 大病から一命をとりとめても後遺症に悩まされる場合もある。ルポライターの鈴木大介氏は、4年前に41歳で脳梗塞を発症。命は助かったものの、一部の脳細胞の壊死による「左手指の麻痺」「構音障害(ろれつが回らない)」「認知障害(空間や物事の構造を認識、再構築できない)」「感情失禁(感情が即座に爆発的に膨らんで抑制できない)」といった後遺症が残ったという。 「医師に告げられたときも、『聞いたことがある』『眠い』『文字は読める』など、障害のせいで浮かぶ考えがまとめられないままぼんやりとしていました」  そしてすぐに失敗を経験。 「発症直後に著書に関する取材を受けてしまったんです。ろれつは回らないし、話の趣旨を頭の中でまとめることができないので、意図を全く伝えられなくて。確認用の原稿を見て、『今回のことはなかったことにしてほしい』と、感情を暴走させたうえに誤字脱字まみれのメールを送ってしまいました」  約50日間の入院生活中、懸命にリハビリに取り組んだ鈴木氏。 「手指も『どう命令するんだっけ』という感じで、なかなか動かないんです。リハビリの先生の手で指を動かしてもらうなかで、感覚を思い出していきました。日々のタイピングや会話もリハビリになりましたね」 影 しかし、本当の意味で後遺症を実感したのは退院してからだとか。 「病院でのどんなに難しいリハビリ課題より、日常生活のほうが遥かに高度で絶望しましたね。文章の簡略化や締め切りの管理ができない、会話の能力が落ちて交渉や説明ができない。皿も何枚も割ってしまい、それも麻痺のない右手でです。注意障害で丁寧に扱えないでいたんです。一息ついて、優先順位をつけるようにしてクリアしていきました」  発症から3年たって、95%まで回復を実感しているという。もし我々が同様に障害を持ったら、どう向き合えばいいのか。
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障害と向き合うには
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