雑学

耳かき、深夜アニメがやめられないアラフォー男たち<ちょっと変わった依存症>

 依存症は、酒や薬物などの物質が引き起こす印象が強いが、近年では、本人の意思の問題と思われてきた痴漢や万引などの行為も、治療が必要な依存症と捉えられている。“新型依存”とも言うべき新しいケースは次々と増え続けている。

日常的な行為も、その頻度が増えれば一種の依存症


 中野和志さん(仮名・43歳・商社)は、耳かき依存の状態だ。

海外出張に耳かきセット

海外出張に耳かきセットを忘れたときは帰国まで極度の寝不足だったとか

「綿棒と竹製・金属製の耳かきの3点セットは常に持ち歩き、会社でも昼の耳掃除が日課です。奥まで強めに掃除するので出血することもありますが、カサブタをほじるのがまたやめられませんね」

 そこまで耳かきに執着する理由を「心が落ち着くから」と続ける中野さん。仕事や家庭で嫌なことがあると、自然と耳かきに手が伸びるというが、依存症治療に携わる斉藤章佳氏は「このような行為は自慰行為に似ている」と分析する。

「顔を触ると安心するというクセの人もいますが、その種の行為はオートエロティズム(自体愛)と呼ばれます。彼の耳かきも、その延長にあるのかもしれません」

録画したアニメを見続けることで一日が終わってしまう


 また、平智彦さん(仮名・36歳・介護)の場合は深夜アニメ依存だ。

「毎週20本ほどの放送に加え、感動したシーンは自分で5~10分に再編集して何度も見る。編集と視聴で週15時間はかけてますね」

平さんの部屋

祝日の休みや有給休暇も、ここで録画したアニメを見続けることで一日が終わってしまうそうだ

 その行動の裏には、「未見の作品が話題になると取り残された気がして寂しい」という強迫的な感情もある。またクリスマスの時期などは依存の状態が強まるそうだ。

「普段は『俺の嫁は忍野忍!』とかオタクぶっていますが、実生活では36歳の独身男子です。同僚にリア充っぷりを見せつけられると、アニメに逃避しちゃうんです」

【斉藤章佳氏】
精神保健福祉士・社会福祉士。大森榎本クリニックでソーシャルワーカーとしてさまざまな依存症治療に携わる。著書に『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス)

― 急増する[新型依存症]が危ない ―




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