10歳のとき、母の彼氏から「性被害を受けた」25歳女性の今。「自分が穢れているなんて思わなくていい」と主張できるようになるまで
起業家兼作家として活動する橋本なずなさん(25歳、@nazunahashimoto)の著書、『10歳で私は穢された』。母のパートナーからの性被害を綴った実体験だ。凄絶な体験を経て、彼女がいま思うこととは――。
――ご両親の離婚後、お母様のパートナーである“おじさん”から性被害を受けた橋本さんですが、意外にも彼に対する第一印象は良かったそうですね。
橋本なずな:そうですね。実の父は自営業をやっていて忙しく、あまり遊んでもらった記憶がありません。翻って、結婚していた時代から所属していた卓球クラブで知り合ったというおじさんは、当時50代だったとは思えないほどスラッとしていて、白髪の似合うスマートな紳士でした。週末にどこかへ連れて行ってくれたり、小学校にいる好きな男の子の話を聞いてくれたり、面倒を見てくれました。あとから聞いた話では、母が離婚する際にも、いろいろと相談に乗ってくれていたみたいです。
――一方で、お兄さんは家出をするほど“おじさん”を嫌っていた描写もありますよね。
橋本なずな:兄は母を慕っていたので、「お母さんが取られてしまう」という寂しさがあったかもしれないですね。兄が10歳のときに家出をして、しばらくは近隣にある母方の祖父母の家にいましたが、中学生くらいになると友人宅を転々としていたようです。
――お兄さんとは、それ以来連絡を取っていないのでしょうか。
橋本なずな:兄の家出以降は取っていないですね。ただ一度、鉢合わせたことはあります。私は高校時代、叔父が経営するレストランでアルバイトをしていましたが、私がシフトをしてるときに兄が客として来ました。兄は17歳でしたが、会話の内容などから察するにおそらく30歳くらいの女性と2人で来ていて、その方の家で暮らしているようでした。
――橋本さんは、引き続きお母様とご実家で暮らし、そこに“おじさん”も頻繁に訪れる生活ですよね。どのようなタイミングで性被害に遭うのでしょうか。
橋本なずな:そうですね。兄が家出をすると、男性からの目線がなくなったからなのか、おじさんの性的な“スキンシップ”が始まりました。私がトイレに入るとドアを開けてきたり、「なんで隠すの」みたいなことを言ってきたり。直接的に触られたのは、2010年の冬のことだったと思います。母がお風呂に入っているときに、こたつのなかで私の股あたりをおじさんの足で弄ばれたんです。

橋本なずなさん
加害者は一体何者だったのか
兄が家出してから性被害を受けるように
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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