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誰もが知ってる小説もザックリ紹介したらこうなった!

映画史上、文学史上に残る名作たち。一応知っておかないと恥ずかしい気はするけど、なかなか時間もないし面倒なもの。そんな名作を、見た人、うろ覚えの人、未見の人にザックリ一言で語ってもらいました。これを読めば、あの名作が一瞬で理解できる!(かも)

◆小説部門

『人間失格』
いいとこのお坊ちゃんが、そこらの面倒くさいおじさんになる話
27歳・女・看護師


『雪国』
妻子がいるのに雪国で不倫する男の話
29歳・女・SE


『ノルウェイの森』
オシャレな世界観でデコレートしたヤリチン自慢小説
38歳・男・不動産


『人間失格』
太宰治の代表作の一つ。幼い頃から他人の前では道化を演じていた男が、悪友との付き合いをきっかけに身を持ち崩していくさまを手記風に綴る。太宰の自伝的小説とも言われる

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自分はダメ人間、と言いながら『そんなことないよ』を期待する男の、酒がマズくなる独白」(45歳・女・出版)、「考えすぎのナルシスト男が、酒、女、クスリに溺れて堕ちていく話」(34歳・男・ウェブ制作)など、太宰本人の自意識過剰イメージと重ねて指摘する声多数。「いいとこのお坊ちゃんが、そこらの面倒くさいおじさんになる話」(27歳・女・看護師)なんて、言い得て妙だけど容赦ないっス。なお「『生まれて、すみません』が決めゼリフ」(32歳・男・自営)てなコメントもあるが、これは『二十世紀旗手』に出てくる一文で、結構多い勘違い。

 一方、未読の人からは「国から人間失格の烙印を押された下級階層の男たちの復讐劇」(38歳・男・清掃)てなサスペンス予想もあるが、「覚醒剤中毒者の更生物語」(24歳・男・電機)、「悲劇のヒーローに浸る男が入水自殺」(31歳・男・ウェブ制作)など、当たらずとも遠からずな指摘多し。まあ、煎じ詰めれば「ダメ男の話」(28歳・女・食品)ってことなの!?

『雪国』
ノーベル文学賞を受賞した川端康成の代表作。「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」の書き出しが非常に有名。雪国を舞台に島村、駒子、葉子の3人の関係を美しく描く

 冒頭は知ってるけど内容は……という人多数のこの名作、ザックリ言えば、「カネに困ってないお気楽男がトンネルの向こうの雪国にぶらりと出かけて、そこに暮らす美人の双子姉妹といい仲になり、もめたりする」(38歳・男・不動産)話だ。正確には双子姉妹ではなく赤の他人なんだけど。

妻子がいるのに雪国で不倫する男の話。渡辺淳一的世界観」(29歳・女・SE)ってのも言い得て妙。そのせいか「不倫の果てに北国に逃避行した男女が心中する話」(36歳・女・派遣)と『失楽園』とダブらせる人も。さらに、こんな自由な想像も。「雪国で暮らす老夫婦の物語」(31歳・男・自営)、「自堕落な男が雪国で女を漁り、痴情のもつれで殺される」(31歳・男・不動産)って、2時間サスペンスじゃないんだから。

『ノルウェイの森』
村上春樹の長編小説。学生運動の時代を背景に、大学生たちの葛藤や恋愛を描く。著者自装の赤と緑のカバーが印象的だった。松山ケンイチ、菊地凛子主演の映画版が12月公開

ハッキリしないグズグズ男と、自意識過剰女の恋愛ごっこ」(46歳・女・薬品)と、面倒くさい恋物語の印象が強いせいか「文章のうまい『セカチュー』」(34歳・男・鉄鋼)てな指摘も。また「ペニスとかヴァギナとかいっぱい出てきてビックリ」(25歳・女・フリーター)とセックス描写も豊富なため「オシャレな世界観でデコレートしたヤリチン自慢小説」(38歳・男・不動産)と断じる声が。

 対して、想像コメントでは「森の動物が人間に逆襲する話」(24歳・男・メーカー)、「森に迷い込んだ数人がピエロに追いかけられる」(27歳・女・看護師)など残酷メルヘン路線が妙に人気。ただ、ノルウェイからの連想か「スキージャンプにかける男たちのスポーツ感動物語」(38歳・男・清掃)って……チト読んでみたい気も。

イラスト/花小金井正幸
― 名作映画&小説[ザックリ解説]大賞【7】 ―




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