『こころ』は寝取られ属性の男の話!?
映画史上、文学史上に残る名作たち。一応知っておかないと恥ずかしい気はするけど、なかなか時間もないし面倒なもの。そんな名作を、見た人、うろ覚えの人、未見の人にザックリ一言で語ってもらいました。これを読めば、あの名作が一瞬で理解できる!(かも)
◆小説部門
『羅生門』
婆さんから服を奪ったっていいじゃないか。人間だもの
34歳・男・ウェブ制作
『こころ』
寝盗られ属性の男2人が寝盗り合戦の末、自殺
25歳・男・広告
『羅生門』
芥川龍之介の初期の作品。飢饉続きの平安京で死体から髪を抜く老婆を見とがめた若い男だったが……。
『今昔物語集』の「羅城門登上層見死人盗人語第十八」を題材とする短編
「死人の髪の毛を抜いてカツラを作ろうとする老婆が服を奪われる、因果応報の話」(44歳・女・出版)という人間の業を鋭くえぐった本作。作品を知らない人からは「地獄で閻魔と取り引きする話」(38歳・男・営業)なんてのもあったが、「羅生昇竜拳みたいな必殺技でバトル的展開」(19歳・女・パチンコ店員)はマンガの読みすぎ。
相田みつを風なら、「婆さんから服を奪ったっていいじゃないか。人間だもの。そうしなきゃ生きていけないんだから仕方ない」(34歳・男・ウェブ制作)となるが、今のご時世だと、単なる「老人虐待」(25歳・女・大学事務)の一言で片づけられちゃうかも!?
『こころ』
夏目漱石の晩年の作品。正式表記は『こ丶ろ』。私、先生、Kという3人の男の友情と恋愛をめぐる苦悩を描く。
「上 先生と私」「中 両親と私」「下 先生と遺書」の3部から成る
「『こころ』って名前の女の下町青春記」(38歳・男・清掃)、「朝ドラでしょ」(19歳・女・パチンコ店員)は一切無関係のNHKドラマと勘違い。本作を要約すると「親友の想い人に横恋慕したことで親友自殺。後悔し続けて本人も自殺の負の連鎖物語」(44歳・女・出版)といったところだが、「寝盗られ属性の男2人が寝盗り合戦の末、自殺」(25歳・男・広告)はさすがに身もフタもなさすぎでは……。
「自責の念を抱いて、実は気持ちよくなってる」(26歳・男・フリーター)、「過ぎたことをいつまでもウジウジ悩みたがる男の自己満足」(32歳・男・SE)、「最後の章が全編遺書。遺書長すぎだろ」(24歳・男・スポーツインストラクター)と皆さん辟易。要するに”先生ウザッ!”ってことね。
そのウザさを楽しめれば「大正ロマン風な月9ドラマ的三角関係」(29歳・女・SE)と思えるらしいが、「先生とK、先生と主人公の濃密な男×男小説。先生はウケ」(45歳・女・自営)とボーイズラブ的解釈も。腐女子脳恐るべし!
― 名作映画&小説[ザックリ解説]大賞【6】 ―
この特集の前回記事
ハッシュタグ