雑学

ウクライナの日本食が大変なことに!

 連夜、激戦が繰り広げられるEURO2012。4年に一度のこのお祭り騒ぎを楽しむべく各国からサポーターが押し寄せ、開催国であるウクライナ、ポーランド国内はただならぬ熱気を帯びている。ウクライナの首都キエフでは現地でグループリーグを行っていたスウェーデン勢を中心に、真っ昼間から大男や金髪美女たちが飲めや歌えのどんちゃん騒ぎを展開。ウクライナの現在の日没時間は21時半頃、遅めの試合はその後に開始されるため、昼から飲み始めると優に10時間を超えて延々とビールをあおり続けることになる。

 当然、露店や市街の飲食店は大盛況なのだが、そのなかでも異彩を放つ店舗がある。店名は「村神」。トラディショナルなジャパニーズ料理を出すレストランとしては地元で根付いているようで、キエフ市内に複数店舗あり、手広くチェーン展開をしている模様。

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 足を運んでみて、まず目を奪われるのは萌え属性のイラストの数々だ。外観から内装、さらにはメニューの表紙に至るまでに実にさまざまなところに使われている。リアルなものから少女漫画風までタッチは実にさまざまだが、すべて美少女、なかにはよく見ると長澤まさみや浜崎あゆみらに見えるイラストもあるが、いったいどこから拝借してきたものなのだろうか……。

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 メニューを見てみると寿司を中心とした日本料理……だけでなく焼き鳥に餃子、チャーハン、果てはトムヤムクンにシーシャ(水たばこ)など相当なんでもアリ。アジアは全部一緒くたにされていると考えるべきなのだろう。

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 価格帯は、店名を冠した寿司盛り「Murakami Set」が288グリヴニャ(現在のレートで約2880円、以下1グリヴニャ=10円で換算)。この2880円という価格は、ウクライナの物価感覚でいえば、相当高い。こちらではビール一杯100円台から、それなりのレストランに行っても一皿500〜1000円ほどでたいていの料理は頼むことはできるため、かなりの高級店という位置づけのようだ。

肝心の味を確かめるべく、さっそく注文をしてみた。

まずは、看板メニュー「Murakami Set」。ネタはサーモン+クリームチーズとアボカド+ウナギの巻物、それにエビ、サーモン、タコ、ウナギ、たまごに貝柱+トビッコの軍艦。生クリームのようにデコレーションされているのはわさびだ。一緒に握られておらず、わさびは後付けするシステムになっている。山盛りのガリはあまりに鮮やかな色合いを放つ。

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ウクライナ,EURO2012,日本食

「Murakami Set」(2880円)

 サーモンやエビ、タコは、ウクライナ国内でもポピュラーな食材なため味は間違いない。ただし、サーモンをクリームチーズと一緒にする必要はまったくないはずだ。アボガドもそれ自体はなかなかうまいのだが、ウナギがくせ者。食感は完全にゴムそのもので、噛んでいると日本に帰りたくなってくるレベル。うな重もメニューにあったが、これは日本で出されるとクレームに発展しうる残念さだ。たまごはおそらくチーズか生クリームなどが入っているようなクリーミーな味わい。火が通り過ぎて失敗した茶碗蒸しのような舌触りで、むろん米とは合わない。そもそもご飯にはまったく味がついておらず、しかもおそらく力一杯握っているため日本の寿司とは似て非なる口触り。醤油は薄めで味の深みはない。

 次に頼んだのが「Gyoza set」(540円)。鶏、豚、エビの3種類の餃子。餡にはキノコ、春雨、玉ねぎなどが入っており、味付けはウクライナ料理のヴァーレーニキ風(ピロシキの中身のイメージ)、専用のつけダレは醤油+酢+ごまで、しゃぶしゃぶ感が満載、蒸し野菜や豚肉とよく合いそうだ。しかし、そもそも焼き餃子がなぜ蒸籠に入っているかツッコむ人は現地にはいないのだろうか。世界はまだまだ不思議で満ちている。

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ウクライナ,EURO2012,日本食

「Gyoza set」(540円)

「Rice Fried with seafood」(480円)は、一応、日本料理のような位置づけだったが、まず米がタイ米風の長粒種なため、日本で食べるチャーハンとは大きく食感が異なる。味はパクチーがふんだんに使われ、完全に東南アジア料理系。味の質は日本で食べるエスニック料理と大差なく、そういうものだと思えば十分楽しめる。

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ウクライナ,EURO2012,日本食

「Rice Fried with seafood」(480円)

「Chichen kushiyaki」(180円)の照り焼きソースはなかなかのクオリティだった。火を通しすぎて肉がパッサパサだったが及第点の味わい。

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ウクライナ,EURO2012,日本食

「Chichen kushiyaki」(180円)

 そして、今回実食したメニューのなかでもっとも本来の日本食に近かったのが「Traditional miso soup」(180円)。具はわかめに豆腐、ネギ、ごまといった信頼できるラインナップ。かなり塩辛いうえに、よく見るとパクチーらしきものも入っていたが、それでもちゃんとダシの味もしており、日本食から長く離れ、恋しくなったタイミングには恋しい一杯になりそうだ。

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ウクライナ,EURO2012,日本食

「Traditional miso soup」(180円)

 上記したように人気の日本料理レストランが正しい日本食を再現していたかといえば首肯することはできないが、それでもアジアの極東から遠くはなれたこの東欧で、日本にまつわるカルチャーが注目を集めているのは実に喜ばしいことではないだろうか。ウクライナ国内には、この「村神」以外にも日本食レストランは何店舗かあり、またスーパーでも冷凍寿司やうどん、そば、日本酒がしっかりと置かれているなど、日本の食文化に触れる機会が実はあるようだ。

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<取材・文/日刊SPA!取材班>

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(UEFA EURO 2012TM サッカー欧州選手権|WOWOWオンライン)




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