【南米化する東京】おいしく食べて外来種と”共生”する
おいしく食べて外来種と”共生”する
増える一方とはいえ、捕獲して廃棄するのでは心が痛む。こうした”もったいない精神”を基に、特定外来種を食べる動きが盛んだ。多くの在来魚がブラックバスの食害に遭っている琵琶湖のほとりの滋賀県立琵琶湖博物館内のレストラン「にほのうみ」の担当者は語る。
「’03年に、『連れてこられた生き物たち』という外来種に焦点を当てた展示を行い、その際にブラックバスを使ったバスバーガーを商品化したのが始まりです。その後、同商品は夏休み限定一日20食として展開、次いで開発したバス天丼は、一年中、提供しています」
さっそくバス天丼を実食。衣はサクサク、身はぷりっ。臭みはなく「意外」な味に拍子抜けするほどだった。
続いて、琵琶湖に次いで日本第2位の面積を誇る茨城県霞ヶ浦のナマズバーガー(480円)。利根川流域では30年前からアメリカナマズが養殖されていたが、10年前の台風で網が破れて霞ヶ浦に流れ込み、以後大繁殖したのだろうと予想されている。ハゼ、ウナギ、ワカサギなどが深刻な食害に遭っていた。
「’07年に町おこしの機運が高まり、外来魚を使ったメニューを開発したところ大好評。エコに対する先駆的な取り組みでもあり、今では行方市民の食文化の変革をもたらしたと自負しています」(行方市商工会)
ただ、湖底にすむ天然ナマズは雑食で泥臭いため、使用しているのは環境省から許可を得た養殖ナマズ。天然モノを賞味したかったが、バーガーは噂どおり美味。完食した。
意外とあっさりとした味の身は天丼にピッタリ。
これを目当てに訪れる観光客も多いとか
商品名は「なめパックン」。
タルタルソースとチリソースが絶妙で低カロリー。何個でも食べられる
取材・文・撮影/SPA!タマゾン探検隊
写真提供/川崎河川漁業協同組合 滋賀県立琵琶湖博物館 行方市商工会
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