毒キノコ被害続発中。山ガールにご用心
―[有機野菜の危険な裏事情]―
今、時代は空前の野菜ブーム。だが右下の表にあげた「5つの誤解」をはじめ、野菜に対する妄信的な信仰は、逆に毒となることもある。「有機野菜」という言葉にひそむ危険性ほか、オーガニック神話の裏を追った
オーガニックブームの裏で、弊害が多発中!
【野菜の裏3】毒キノコ被害続発中。山ガールにご用心
この秋、毒キノコによる食中毒が後を絶たない。読売新聞によれば、10月20日までに中毒者は全国で209人に達し、過去5年で最多だった’07年の199件を超える事態に。しかも、「広島県の山で採ったキノコで下痢と意識障害を起こしましたが、寝て治した」(公務員・25歳)など表面化していない件もあり、数字は氷山の一角にすぎない。この理由を、富士山にある東富士山荘の経営者で、御殿場食品衛生協会きのこ指導員の米山千晴氏は説明する。
「1つは猛暑。2つ目にその後の台風による雨で十分な湿度が得られたこと。3つ目に10月に入って一気に気温が下がったこと。これらの条件が重なった結果、キノコが大量発生しました。しかも、猛暑でキノコの表面が褐色に焼け、毒キノコを食用キノコと間違えやすくなったのも要因の一つ。さらに、豊作のためキノコ狩りをする人も増えており、そういった人が直売所や峠にある個人店に小銭稼ぎのために売りに行く。店の人もキノコに精通している人は少なく、誤って販売してしまうのです」
直売所では、毒キノコに間違いやすいキノコは買わないのが無難のようだ。また、近年急増中の「山ガール」には、特に注意が必要と米山氏は警鐘を鳴らす。
「ハイキングついでに、山菜採りにも手を出すのが彼女たちの最近のトレンド。私が経営する山荘にも多くの若い女性がキノコを持ってきますが、その多くに毒キノコが交じっています」
山ガールのお裾分けは、気持ちだけ貰っておくのが賢明のようだ。
『富士山のきのこたち』(御殿場保健所内で発売)には毒キノコの見分け方が載っているが、素人には難しい
― 有機野菜の危険な裏事情【6】 ―
この特集の前回記事
ハッシュタグ