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サーファー「テレビやツイッターを見ているだけは御免だった」

「日頃、お世話になっている波がこんな事件を起こしてしまった。だから他人事じゃないんです」  神奈川県茅ヶ崎市でウェットスーツを販売する溝端泰平(仮名・44歳)は、自身も生粋のサーファー。彼も、迅速に行動を起こした。  ことの発端は、静岡県のサーフショップ店長の元に入った連絡。 「病院の水道がダメになって、患者が大変。給水車が来ても水を運ぶ手段がなく、ゴミ袋に水を入れている」と、茨城県からSOSが発信された。しかし、浜松市でも、水を入れるポリタンクは売り切れ。そこで、全国のサーファー人脈を持つ溝端の元に電話が来たのだ。 「俺らは体から砂を落とすための水を入れるポリタンクを必ず1個は持っている。そこで18日にブログとツイッターで全国にいるサーファーの仲間に呼びかけました。取引先の滋賀県のショップは、農家が業務で使う300ℓのポリタンクまで届けてくれた」  翌日、集まったポリタンクは既に50個に。そして「茨城県は支援が入ったから、仙台に行ってほしい」と連絡を受けると、その日のうちに車を走らせた。 「サーファーは、一般社会から見れば煙たいでしょ? でもこういうとき、横の繋がり、人情を人一倍大事にするからアツいんです。テレビやツイッターで垂れ流される情報を見ているだけは御免だった。もちろん、俺はサーファーの皆が送ってくれたポリタンクを届けただけだから、たいしたことはしていない。動けるヤツは動き、お金があるヤツはお金を出し、知恵があるヤツは知恵を出す。今は、自分のできることをやればいい」  そう言うと、静かな茅ヶ崎の海を見つめる溝端。潮風に晒される背中は、どこか寂しくもあったが、逞しく見えた。 (文中・敬称略)
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物資を運ぶのに協力したトラックの持ち主もサーファー。 「業界自体、今は逆境。でも、生き残らなければならないと思う」と溝端
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