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震災で[評価だだ下がり/爆上げ]な人々【その1】

震災から1か月が過ぎた。この間に、名のある人物でもデマに加担、東京を脱出、買い占めに走る人がいる一方、いち早く被災地へ出向き支援活動を行った人もいた。震災をきっかけに”世論”の評価はどう変化したのか ◆公人編  震災後、特に厳しい立場に追い込まれているのが、国会議員をはじめとする公人たちだ。そのなかで、ただ一人評価を上げているのが枝野幸男内閣官房長官である。
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 本誌が20~40代の男女100人に行ったアンケートでは、50%の人が枝野官房長官について「印象が良くなった」と回答。「眠らず頑張っていた」(31歳・営業)、「話す内容が的確」(46歳・自営)と賞賛する人のほか、「作業服が似合う」(47歳・施工管理)、「福耳がかわいらしい」(41歳・建設)というマニアまで登場している。 「災害時は当たり前のことを当たり前にできる人、前面に出てコミュニケーションをとれる人の評価が上がる。枝野さんはその典型です」と言うのは、切込隊長ことブロガー・ライターの山本一郎氏。  一方で、「『悪名は無名に勝る』という言葉どおり、内容はどうであれ、マスコミ露出が増えれば顔が見える分、政治家は評価が上がります。枝野氏は3時間毎の会見で誰よりも多く画面に登場し、一生懸命働く姿を見せました」と話すのは、政治評論家・有馬晴海氏。
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 対照的に、大きく評価を落としたのが菅直人首相だ。「枝野さんに任せっきりの印象」(36歳・サービス)、「国民の生命より保身を優先している」(41歳・内職)、「いるだけ無駄」(34歳・会社員)など厳しい声が多く、「印象が悪くなった」との回答は68%に及んだ。 「かつて厚生大臣のときO-157事件が起き、収束を図る目的でカイワレ大根を食べましたが、そのときと同じレベルの発想で、福島原発視察のパフォーマンスを行いました。最初は大した事態とは考えていなかったのでしょう。しかし自分の手には負えない……と気づくと、自民党の谷垣禎一総裁へ入閣要請をしたり、小沢一郎・元代表に協力をお願いしたりと責任を押し付け始めた。彼にリーダーシップ=政治力がないことがはっきりとしました」(有馬氏)  その入閣要請を断った谷垣総裁も評価を落とした(アップ13%、ダウン43%)が……。 「うまくいけば菅政権の手柄、失敗すれば自民党の責任にされる。断るのは『政治家の理屈』では当然ですが、そこから踏み出せなかった。悪い評価を受け入れざるを得ないでしょう」(同)
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 そのほか複数の民主党議員や石原慎太郎氏(アップ21%、ダウン53%)らも、不用意な行動・発言で顰蹙を買った。 「石原さんは誰にも遠慮せず、率直な発言をすることである一定の支持を集めてきましたが、今回の『天罰』発言は許されるレベルではありませんでした」(同) 「消防署員を恫喝したと言われる海江田万里経済産業相は『ハッパをかければできるはず』という発想しかない、典型的なダメ中間管理職。この緊急時にエステに買い物三昧と報道された菊田真紀子議員や、『アロマオイルの香りを楽しみながら英語の勉強』とブログをアップした三宅雪子議員も非難されて当然です。危機管理教育が党内で不十分なんでしょう」(山本氏)  一方で、目立った行動が見られなかったのが小沢一郎議員だ。 「彼は党員資格停止の状態にあり、身動きが取れず、議員として十分に活動できない。そして彼をそのような状況に追い込んだのが、菅首相なんです。だから菅首相には協力できない」(有馬氏)  今後、政界はどう推移するのか。 「しばらくすると菅首相は『自分の手腕で事態が落ち着いた。本来ならもっと時間がかかっていた』などと言い始めるでしょう。菅内閣は国の予算を握っていますから、復興活動が本格化したとき、うまくお金を使えれば、支持を高める可能性もあります」(同) 「今この震災に対処できるのは政府だけなので、そのやり方を支援するしかない。しかし初動のマズさに始まり、政府は失態を演じ続けています。その評価も忘れずにいなければなりません」(山本氏) ※ポイントは、ネットアンケート(対象/全国在住の20~40代・男女100人)で「震災後、印象はどう変わったか」という質問で、「良くなった」から「悪くなった」を引いた数です
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