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ABCやCNNは30km圏内も取材しクオリティが高い

ぐっちー氏ぐっちー氏】 金融アナリスト

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海外メディアに詳しい行動派金融アナリスト
’60年生まれ。欧米の金融機関を経て、ブティックの投資銀行を開設。M&Aから民事再生、地方再生まで、幅広くディールをこなす一方で、経済金融評論家としても活躍中

「報道の質が海外と日本では全然違っています。新聞、TVなどの日本の大手メディアは30km圏内の立ち入りは危険だからと取材しません。一方、ABCやCNNなどの海外メディアの記者は30km圏内にも立ち入ってリポートを書いている。その結果、海外メディアの記事のクオリティや写真の迫力は、日本の大手メディアのものよりも断然高い」

金融アナリストのぐっちー氏は自身のブログやメルマガでも海外メディアの報道を取り上げている。そこで見えてくるのは、震災報道に対する現場への踏み込み具合だ。

「原発の報道についても日本では次々と想定外のことが起こるけど、メルトダウンが始まるとか破局的な危機を報道することはありません。しかし海外メディアの場合、メルトダウンが起こった場合を想定した記事もたくさんあります。これまでもそうですが、日本は伝統的にクラッシュしない、絶対に安全というスタンスでの報道が多く、クラッシュしたらどうするかという報道があまりありません。政府の発表をそのまま報じて、それを信じてしまっている人がほとんどではないでしょうか」

今回の震災報道でもっとも注目したメディアはアメリカのABCだという。

「TVに関してはダントツでABCです。救援に来た米空母ロナルド・レーガンの通常時の出力は194メガワット。フルパワーで240メガワットになる。福島第一の発電能力がおよそ480メガワットで、実際の稼働率は60%なのでほぼ同じ電力供給能力があると。この発電能力を提供すると米政府が提案したのに日本が断ったとABCが報じましたが、日本では一切報じられませんでした」

ぐっちー氏は、この震災で「メディアの序列」が崩れたと分析する。

「不安を煽る記事や逆に根拠もなく安全だと政府の報道を垂れ流す記事もあり、TVも新聞も雑誌もネットも玉石混交だということがわかったんじゃないでしょうか。これまでは朝日新聞、読売新聞……というような信頼度に対する序列がありましたが、信用できないと気がついた。これからは一人ひとりがトライ&エラーで何年もかけて信頼できる情報ソースを選ぶことになるでしょうね」

TV、新聞、政府の流す情報を疑う。最後に頼りになるのは自分の感覚ということか。

◆メディアとの接し方
メディアの序列が崩壊。情報選択のセンスを磨こう

【雑誌】講談社『週刊現代』4/2号

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東北で支援活動しているぐっちー氏。「東北人の粘り強さは素晴らしい。『週刊現代』見出しの『来てくれてありがどさま』は本当のこと。ただし文末の『がんばろう』は現実を知らない言葉。もはやがんばれの域を越えています」

【海外メディア】CNN

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国内メディアには米軍の報道がほとんどないというぐっちー氏。「仙台空港の半壊した滑走路に最初に降りて星条旗ではなく日本の国旗を掲げたのは米軍です。CNNなどは報じています」


【海外メディア】米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』

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ウェブで読める日本語版もあるWSJ。「震災で世界的なリセッションが起きない」から「二次産業への影響が大きく一刻も早い復旧を望む」までさまざまな角度の記事が

震災報道[アテになるメディア]判定会議- 【5】




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