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【サマータイム】13~16時を昼休みにする方が効果的

― [やりすぎ節電]トホホ白書【6】 ―

◆始業時間を早めてもピーク時節電に効果なし!

始業と終業の時間を1時間早めるなど、独自のサマータイムを導入している企業は多いが、これって節電に効果はあるのだろうか?

 産業技術総合研究所の井原智彦研究員は異を唱える一人。

「退社時間を17時から16時に前倒ししたところで、電力消費の昼のピーク帯の節電効果は薄いですよね。それだけでなく、計測シミュレーションでは、企業で使うエレベーターや照明などの減少分を考慮しても、まだまだ暑い夕方に帰宅した人たちが自宅で一気にエアコンを使うと、16時すぎの最大電力需要がむしろ増える可能性があるとの結果が出ています」

 真夏の電力需要予想の約3割はエアコンが占める。多人数が集まるオフィスでは集中して空調管理ができるうえ、空調熱源の3割程度は電力ではなく都市ガスで駆動しているのだが、それらのメリットが活かせなくなるという。

「こういった別の側面で逆効果が出てしまう『リバウンド効果』が懸念されますね。もっと物事を俯瞰から見るライフサイクル思考を持つべきなんです」(井原氏)

◆いっそ13~16時を昼休みにすればいい

 同様に節電効果に疑問を呈するのは、日本睡眠学会の本間研一氏。

「1時間早めて午前中の涼しい時間帯に仕事をすれば全体の省エネにはなるかもしれませんが、昼間のピーク帯の節電にはなりませんよね。それならいっそのことシエスタのように、13~16時の3時間、昼休みにしたほうがよっぽどいい」

 そのうえ、睡眠という観点から見るとデメリットが多いという。

「始業が1時間早まれば起床時間も1時間早まる。でも、就寝時間を早めることができない人は多いので、睡眠時間の短縮や質の悪化を招く。その結果、作業能率が低下し仕事のミスが増えたり、交通事故の発生を高める恐れもある」

 実際、04~06年の夏季、札幌を中心としたいくつかの企業が始業を1時間早め、16時退社とした「北海道サマータイム」を実施したことがあるが、「’04年の実施後のアンケートでは4割ほどの人が体調不良や不眠を訴え、慣れてきたはずの’06年の実施後も3割ほどの人が同様の症状を訴えていたというデータがあります」。

 経団連の提言が発端のサマータイムだけど、頭を冷やしてもう一度考え直してみてはいかが?

イラスト/カネシゲタカシ




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