高速化するLTE。スピードアップはどこまで進む?
―[2013年デジタルトレンド大研究]―
iPhone 5にLTEと華やかなトピックスが豊作だった昨年。今年は、デジタル業界にとってどんな年になるのだろうか? モバイル評論家の法林岳之氏に聞いた
◆LTEはますます高速化の流れ
昨年盛り上がったLTE。今年は、さらなる高速化が進むだろう。
「次世代の技術であるLTE-Advancedが、早ければ年内にも試験的に登場するかもしれません。LTEのスピードを上げるには、割り当てる周波数を広げますが、たまたま自分のいる場所で2G帯と800M帯の両方が掴めた場合、これらを束ねて通信できれば、速度はぐんと速くなるというしくみ。フィールドテストを経て、2014年には正式サービスの開始が期待できそうです」
一方で、TD-LTEと呼ばれるLTEのバリエーションも注目を集めている。
「現在のLTEはFD-LTEと呼ばれ、上りと下りで別々の周波数を使うのに対し、TD-LTEでは同じ周波数の中で、時間差で上り下りの通信を行うので、狭い帯域でも通信ができるのが強み。従来は10M空いていないとダメだったところを、5Mでも通信可能ということになれば、サービスを提供しやすくなります」
「ソフトバンク4G」は、このTD-LTEと互換性があり、世界的にも動向が注目されている。
一方、通信環境が進化するなかで、“問題”も出で来ているという。
「自宅の回線にADSLや光を引いているのをやめてしまい、テザリングを使って3GやLTE1本にまとめようとする人が出てきている。これをやると、容量オーバーになって速度制限がかかってしまう可能性が高いので要注意です」
― 2013年デジタルトレンド大研究【3】 ―
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