日本車?ドイツ車?フランス車?クルマ選びの基準を牛丼に例えてみた
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
おフランス生まれのクルマと聞いただけで、高貴な感じがいたします。
ドイツ生まれのクルマと聞いただけで、精巧な感じがします。
日本生まれのクルマは……。
いつもは燃費だけで対決しておりますが、今回は値段、乗り心地、オシャレ度でも比較してみました。メルシィ、ボクー!
文/MJブロンディ(Text by Shimizu Souichi) 写真/池之平昌信
当コラムでは、なぜか輸入車を取り上げる機会が多いわけですが、現実の日本市場では、ほとんど国産車しか売れておりません! 昨年を例に取ると、日本で売れた新車は年間約500万台。そのうち国産車が96.3%を占めておりました。なんという閉鎖市場でしょう!
で、国産車を買うみなさんが一番重視するのは、ズバリ値段(あるいは値引き)と室内の広さ。牛丼で言えば安さとボリュームですな。これが96.3%を占めるわけです。
残りのわずか3.7%が輸入車で、そのうちなんと78%がドイツ車! 日本でガイシャって言えばほぼドイツ車なわけだよね。
この、全体から見るとたったの3%ほどのドイツ車ユーザーが最も重視するのが、メカニズム的なもの。やっぱりメルセデスはボディが違うとか、BMWはエンジンが凄いとかそういうこと。牛丼で言えば値段より味を重視するグルメさんです。
で、ドイツの隣の大国、原発でも有名なおフランスの車はというと、輸入車のわずか6%、全体からするとたったの0.2%! まさに大河の一滴の好き者(変わり者)だけが買っております。
その大河の一滴は、いったい何を重視してクルマを選んでいるかというと、「オシャレさ」なのです! 牛丼で言えば器のデザインですか。フランス車ディーラーでは、客からメカニズム的な質問が出ることはまずないと言いますから、同じガイシャ好きでも、ドイツ車ユーザーとはまるで別の人種です。
こんな話を書いたのは、今回登場するシトロエンC4というクルマが、あまりにもマイナーだからです。マイナー過ぎるので、次回は日本車&ドイツ車と4種目で対決させつつご紹介したいと思います。
⇒対決は【後編】にて
「日本車 VS ドイツ車 VS フランス車」4種目対決の“勝車”は?
― 対決するクルマはこちら ―
【C4】(おフランス製)
ミッションが4ATと6EGSの2種類ある5ドアハッチバック(試乗車は4AT)。ボディサイズは全長4330×全幅1790×全高1490mm。120馬力。エンジンはBMWと共同開発【ヴィッツRS】(日本製)
ヴィッのスポーツグレードRS。オプションを含めると200万円超とお高め(ノーマルは106万円~)。ボディサイズは全長3930×全幅1695×1500mm。109馬力【ミニ・クロスオーバー】(ドイツ製)
ミニ初の5ドアSUV、ミニ・クロスオーバー。ボディサイズは全長4105×全幅1790×全高1550mmと、ミニというにはかなり大きめ。122馬力。4輪駆動モデルもある 1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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