最近、「恋愛~」という肩書きのヒトが多すぎだと思いません?【後編】

 最近、やたら目(鼻?)につく「恋愛ナントカ」なる肩書きの人たち。そんな色恋ネタの安直な乱発状態を憂うゴメス記者の憤りが、著名人のインタビューや恋愛などのコラムを多数執筆している同業者の美人ライター・芳麗さんを相手に、次第とヒートアップしていって……。

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――おまけに、そういう人たちが発信する内容が、皆とは言いませんけど、たいがいが凄まじく凡庸だったりするんですよ。凡庸なだけならまだしも、文章力がなさすぎて、なにを言いたいのかよくわからないものも多いですし。基本、文章というのはメールさえ打てれば誰だって書けるんですから、不特定多数になんらかの主張やノウハウを意識的に発信するなら、せめて最低限の文章力だけは持ち合わせていてほしい。

芳麗さん

芳麗:私は、凡庸であることがかならずしもダメだとは思わないんです。たとえば、「男の人を落とすにはボディタッチが効果的」という恋愛マニュアルは、凡庸ではありますけど、案外真理だったりもしますよね。私には言えないことだけど、そういうことを“伝説の元銀座ホステス”あたりの方が語れば、それなりの説得力も帯びてきますから。

――見方を変えれば、戦略に長けた人が“恋愛”という抽象的な概念をネタに、コラムやエッセイなんかを金にすることができる。「元ホステス」や「元読者モデル」や「現役美容ジャーナリスト」などの肩書きを巧みに版元にプレゼンし、フル活用したりして。「元ヤリマン」という「恋愛~」の女性も多いですよね。これも、一種の実績ですから。さらに、その上に「伝説の~」とかの修飾語を自分からくっつけちゃう神経って、すごいじゃないですか。僕の知人である社会派恋愛コラムニストも地頭は良かったですしね。だから、他の有象無象との差別化を図ってのプラス「社会派」(笑)。まだ彼の書いているものは読んだことないですけど。いやいや、とても寛大で冷静なご意見、ありがとうございます。ちょっと僕、ヒートしすぎちゃいましたか?

芳麗:大丈夫ですよ。改めて調べてみて、安易に「恋愛~」という肩書きを付けた人たちが、したり顔で恋愛を語っている状況を、同業者として腹立たしく感じるのは事実ですから(笑)。「恋愛カウンセラー」的な肩書きは別ですけどね。ビジネス形態が受け身なわけですし、恋愛で悩んでいる人たちに対する宣伝タームとしてアドバルーンを上げるのは当たり前と言えば当たり前。結果として、カウンセラーとして売れるか売れないかの実力の違いが出てくるだけで。

――ですよね。対して、コラムとかエッセイは、とくにネット発信だと、形態としては“垂れ流し”じゃないですか。そーいうのがうっとおしいんですよ。僕も自分のブログを読み返してみたら人のことは言えませんが(笑)。

芳麗:私(のブログ)も同じようなものですよ(笑)。でも、個人的には、バブル世代で「恋愛~」系の肩書きを持つ方々の活動が面白いと思いますね。私より一世代上に「牝豹ライター」という女性がいるんですけど、会ってみたら、もう大阪のオカンなんですよ(笑)。すごーくいい人なんですけどね。持っている物が全部豹柄で、“恋愛における豹テクニック”みたいなことを提唱していて……。あと、ある人はバブル時代にぶいぶい言わせてきた“あのころの俺”が大好きで、過去に何千件も参加してきた合コン体験を元に、「恋愛は現場で起きている」だとか「恋愛ルネッサンス」といったキャッチコピーを公言したりして……。“本人はいたって大真面目”ってところがポイントなんですが、読んでも観ても楽しいのでけっこう好きです(笑)。

――感覚としては芸人に近いのかもしれませんね。そこまで色モノ、エンターテインメントに徹してくれるなら、僕も文句はありません。しかも、バブル世代の人たちって、人生に対する恋愛の比重度もやたら高いですし。

芳麗:たぶん、恋愛も含むマニュアルって、“わかりやすさ”がもっとも重要なんですよ。そして、そういう“わかりやすさ”、別の表現をすると“キャッチーな後押し”を求める人が恋愛マーケットには多いんじゃないでしょうか? 編集者などの、斜め目線が職業病のようになっている私たちの同業者だけに受けてもビジネスにはならないんです。

――僕のブログなんかも一部の同業者にはそこそこ受けがよかったりもするけどね……、金にはまったくなりません(笑)。

芳麗:結論的なことを言わせてもらうと、恋愛の悩みを解消することにお金を惜しまず払う20代から40代の女性というのは、ある場所にはかならず、それも少なからず生息していて、そこを私たち発信側がピンポイントで狙うには、普遍的、あるいは、凡庸な発言に付加価値をプラスする自己演出が重要になってくると思うんですよ。「ライター」という肩書きの上に、みずから「伝説の~」だとか「カリスマ」だとかを上乗せすることを“恥”だと感じている時点で、もうアウトってことです。

――ダメだ……。絶対無理! 一度、なにかのインタビューを受けたとき、肩書きを「恋愛コラムニスト」と書かれていたときがあって。即行「恋愛にも強いコラムニスト」に変えてもらいました。

芳麗:自分も厳しいですね(笑)。恥ずかしがらずに、自己演出できる人が羨ましいと思うこともありますけど、無理。私もたまに「恋愛ライター」などとメディアで紹介されますが、これは周囲が勝手にそう言ってくれているだけだし、やっぱり恥ずかしい! 「恋愛~」は目指すべきではなく、いつの間にかなっているケースが、自然なのかなと思います。

【芳麗(よしれい)】
1972年生まれ。NHK山形放送局に勤務の後、フリーライターに。多種多様かつ奥深い人物へのインタビューを中心に、カルチャーコラム、恋愛・仕事・女性の生き方にまつわる記事を執筆。エッセイやコラムの連載も多数かかえている。これまでの総インタビューは2000本を超える。詳しい情報は、HP(http://www.yoshirei-fafa.com/)にて。日常をつづるブログ『Fower of Life』(http://yoshirei.blogspot.jp/)も好評!

【山田ゴメス】
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。日刊SPA!ではブログ「50にして未だ不惑に到らず!」(https://nikkan-spa.jp/gomesu)も配信中。現在「解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ系列)に“クセ者相談員”として出演。『クレヨンしんちゃん たのしいお仕事図鑑』(双葉社)も好評発売中!

1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。著書『クレヨンしんちゃん たのしいお仕事図鑑』(双葉社)、ツイッターアカウント@gomes12081
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