西沢モトさん
「2013年、ニッポン中に一大チア旋風が吹き荒れる!」と躊躇なく断言する”中野の秋元康”こと西沢モトさんに、今回はその根拠をアツく語っていただいた! 昔から、なんとなくチア好きなゴメス記者のテンションも高ぶっていく一方だ!
――世の中がトロい?
そうです。最近、とにかく日本全体の空気がトロい・ヌルい・覇気がないじゃないですか。で、そういう停滞状況が、そろそろ限界に来ている。今こそ“喝”が必要な時代! これ以上の後ずさりはもう崖から落ちるだけ。「このへんが踏ん張りどころでしょ?」ってことなんです。
――なぜ、世の中がトロいとチアブームが来るんでしょうか?
影がまったくないのがチアの最大の魅力だからです。もう“脳天気”と言っていいくらい徹底的に明るい。そして、この心底からの脳天気さこそが負の連鎖やオーラを払拭できる。巷の暗い雲を、太陽や爽やかな風の力で吹き飛ばし、明るさと暖かさを取り戻すのがチアなんです。
――脳天気……。とても素晴らしい言葉だと思います。
ただし、「脳天気=バカ」って意味じゃないですよ。チアリーディング発祥の地であるアメリカだと、10年ほど前までは、ハリウッド女優の9割強がチアの最高峰とされるNFL(アメリカンフットボール)出身だったんです。とにかくビジュアルとスタイルが抜群で頭脳明晰、マナーやスマイルの面でも最高レベルの女性が集まっていた。自己管理能力に優れているという点も含めてです。だからこそ彼女たちは、みんなの代表であり、憧れであり、必然としてスター街道に乗っていくスタイルがひとつの王道としてあったわけです。そりゃ色気は必要ですよ。でもあくまで健康的な色気。これが大事! チアって、露出はしているけど、陰湿さがないでしょ? 鍛えられた体の線のキレイさだとかね……。そういったものに日本人女性特有の肌のきめ細かさなども兼ね備え、未だ世界で前例のないかたちで表現できるのがジャパニーズ・チアの可能性だと、僕は考えています。
――AKB48のような既存のアイドルグループとMSSのチアユニットとの決定的な違いを教えてください。
たしかにかぶっている部分は多いと思う。たとえば、ダンスで体を動かす、歌を歌う……。さらに多くの人数の女性を束ねてリーダーがいたり、人気の高いコがいたり……。でも、とりあえずウチは、総選挙で人気投票をしたりはしません(笑)。それと、(今の)AKB48のように、テレビ中心には動いていない。チアはあくまで地道な“対お客さま”、お客さまと近い距離での活動がメイン。ここは体質上、どんなに売れても絶対に変わりません。
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MSSに所属するプロ・チアチーム「TEAM☆SPARK(チームスパーク)」の練習風景
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アイドルユニットとしてのレッスンも同時進行中!
――ダンスなどの具体的な手法にも違いはあるのでしょうか?
もちろんあります。たとえばAKB48のダンスは“歌ぶり”といって、いわゆるダンスが歌手寄り、アイドル寄りなんです。一方、我々はチアスピリットのもとでやっているのでチアダンスがメイン。筋力を使ったアームモーションやレッグモーションをしっかりとやっている。なので、どちらかといえばアスリート寄りなんです。おそらく、秋元さんは作詞家出身で、僕がアスリート出身というルーツの違いによるものなんでしょうね。それに、AKB48は、まずファンありきじゃないですか。でもチアの世界は、まず自分ありき。自分たちのストイックさの中に、ある意味マスターベーションも含めて自分たちありきの姿を世に知らしめる。ファンには左右されず、「ついてきたければついてこい!」というスタンスです。実際、AKB48のコたちって、体がふにゃふにゃしてますよね? ファンありきゆえ、あまり鍛えすぎるのはよくないと考えているフシさえあります。反して、チアは人前で最高のパフォーマンスを見せるため、極限まで肉体を鍛え、そういう体が美とされている。マドンナもレディー・ガガもそう。そういう意味では考え方がアメリカ的なのかもしれませんね。
――どんなタイプの女性がチアに向いているのでしょう?
メンタルの部分では、一に素直、二に素直、三・四がなくて五に素直! これだけです。そしてフィジカルの部分では、基礎体力を補うためのバネ。具体的に言うと、脚の足底筋。扁平足、足の裏にアーチがなく、足首が硬いのはバネという意味ではキツイ。プラス股関節の可動域が広いこと。ふくらはぎと太ももの筋肉も大事。しかし、フィジカルは鍛えればどうにかなります。極論、90歳のおじいちゃんでも、やりようによって筋力は確実にアップする。別にジムとかに行かなくても、コンビニの袋を上げ下げして上腕二頭筋を動かしたり、マンションのエレベーターでかかとを上げて立ったり……、そのレベルで充分。コレに“寝る”と“食べる”を加えたら、もう完璧ですね。あと、常に音楽は聴いていてほしい。そうやって自分の体の中にリズムとグルーヴができ上がってくれば、振り付けなんて簡単に覚えられます。音楽のジャンルはなんでもかまいません。
――MSSの今後の戦略は?
まずはテレビ番組に、バックでもなんでもいいからチアを差し込んで、そこから世の中に「活気」「元気」「勇気」を伝えていきたい。そこから自分たちのオリジナルの曲とダンスをもってライブをやったり、CDを出したりしていく予定です。すでに(オリジナル曲は)5曲ほどあるんですけど、そのなかでチアに向いているのは3曲くらいでしょうか。ボーカルは現在6人ほどいます。ユニットの名前は近日発表できると思います!
ちなみに、MSS所属のチアタレントにもちょこっとだけインタビューをしてみたので以下をご覧あれ。
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イヅミさん(27歳・東京都出身)。 「もし将来、女の子が産まれたら絶対にチアをやらせたい。マナーとかあいさつとか元気とか、チアには人としての基本がすべて含まれていると思いますから」
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マユさん(24歳・鹿児島県出身)。 「チアって、ナルシスト要素が強い従来のダンスと違い、元気が自分から他の人へと自然と伝染していく感じがするんです。とにかくわかりやすいんです」
今年、チアブームは巻き起こるのか。個人的な希望も含め、ぜひ頑張っていただきたい! <取材・文/山田ゴメス>
【山田ゴメス】
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。日刊SPA!ではブログ「50にして未だ不惑に到らず!」(
https://nikkan-spa.jp/gomesu)も配信中。現在「解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ系列)(
http://www.ntv.co.jp/99answer/)に“クセ者相談員”として出演。『
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大阪府生まれ。年齢非公開。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター兼コラムニスト&イラストレーターであり、「ネットニュースパトローラー(NNP)」の肩書きも併せ持つ。『
「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。保有資格は「HSP(ハイリー・センシテブ・パーソンズ)カウンセラー」「温泉マイスター」「合コンマスター」など